戦時中、留学先の同志社大学在学中に治安維持法違反に問われ、27歳で獄死した韓国の詩人・尹東柱(1917~45年)を偲ぶ秋の集いが16日、京都市上京区の同志社大学で開かれました。

 今年が尹東柱の生誕100年にあたり、韓国映画「空と風と星の詩人~尹東柱の生涯」が同日、京都で公開されたことに合わせて、「尹東柱を偲ぶ会」、「同志社コリア同窓会」、「尹東柱映画上映会」が主催しました。

 集いでは、同「偲ぶ会」の朴熙均会長があいさつした後、4月に放送されたRKB毎日放送の番組「空を仰いで~尹東柱の詩でつなぐ日韓関係」を鑑賞し、詩人の河津聖恵さんと愛沢革さんが、映画の内容や尹東柱の詩の世界について紹介しました。

 河津さんは、映画の感想を紹介した部分で、尹東柱といとこの宋夢奎が「政治と文学」をテーマに議論する場面で尹が、〝生きることの真実を伝える力が文学にはある。詩人たちの力が集まって世界を変える〟と主張するシーンが、「今にも通じる言葉として印象的だった」とのべました。

 愛沢さんは、祖国が植民地支配から解放される6カ月前に福岡県で獄死した尹東柱には、独立後の祖国を見ることができなかったが、残された詩の中に描いた「夢」について考えたいと話し、時代背景に触れながら、詩の意味を解きました。

 映画「空と風と星の詩人~尹東柱の生涯」は、京都シネマで上映中。22日(金)まで10時、23日(土)12時30分。