98億円かけて建て替えを計画する長岡京市役所庁

「道の駅的施設」18億円、「庁舎建て替え」98億円、「阪急長岡天神駅周辺整備」…大型開発“目白押し”

 1月6日告示、13日投票で、長岡京市長選がたたかわれます。日本共産党は、同党も参加する「長岡京市をよくする会」の新人、堀川圭太氏(41)=同党乙訓地区委員長=を推薦して挑みます。中小路市政の4年間の特徴、市長選の争点などについて、同党長岡京市議団の小原明大(おはら・あきひろ)団長に聞きました。

 ―現市政のすすめる大型開発をどう評価しますか

 現市政は、大型開発を次々と打ち出しています。建設費だけで18億円の「道の駅的施設」構想、98億円の庁舎の建て替え、数百億円かかる阪急長岡天神駅周辺整備計画がそれです。

 「道の駅的施設」構想は、「地方創生」の拠点をうたい、カフェや農産物直売所を設ける計画ですが、直売所は地元の農産物では足りず、府内各地の産物を集めて売るのが実態で、地元の農業振興にならないものであり撤回すべきです。

 庁舎に関しては、現在の1・5倍の面積に広げ、加えて複合施設を併設するもの。建て替えは必要ですが、市民の求める最低限の財政支出にする必要があります。

 駅周辺整備は、20~30年かけて線路を高架化し、駅の東西に広場と接続道路をつくり、周辺にビルやマンションを誘導するという、大型開発計画といえます。大型開発ありきでなく、歩行者と車の分離や送迎車の停車場確保など、可能な安全対策を先行させ、開発は市民の判断をあおぐべきです。

 ―現市政の問題点はどこにありますか

 一言でいうと、大型開発はすすめる一方、市民生活には冷たいのが特徴です。

 国保料値下げの願いには、「国保に税を投入したら社会保険の人と不公平」「(高いのは)医療が充実しているから」と応じません。介護施設増設の願いには、「(施設を増やせば)介護保険料が上がる」、公立保育所増設の願いには、「公立はコストが高い。市民の負担増になる」などと背を向け、「受益者負担」で市民に分断を持ち込む論法に終始しています。

 一方、「稼ぐ力」を強調し、開田(かいでん)保育所跡地を「市長の判断」で民間商業施設に貸し出すことにしたり、移転する済生会病院の跡地についても「売却も含め検討」と答弁しています。市民の財産を民間のもうけに供するのが「稼ぐ」です。3年連続で学童保育クラブを民間委託し、待機児童がいるのに保育所民営化を進めるという姿勢です。

 ―市長選では何が問われますか

 前回(15年)は、民主党の府議だった中小路健吾氏=連合京都推薦=が、政党推薦を受けず、「よくする会」候補と自民・公明推薦の候補との三つ巴の選挙戦を制しました。

 ところが今回、中小路市長は、自民党を中心とした「オール与党」体制をとっています。

 12月定例会の一般質問で、私が「道の駅は撤回し、地に足のついた農業・商工業支援策に転換を」と追及しましたが、市長は、道の駅をどう運営するのか全くビジョンを示せず、農業をとりまく厳しい現状を長々と述べるのみでした。にもかかわらず、「場所の選定は済み、地権者と協議。2023年には開業」と強弁しました。

 今度の市長選を境に市長は、大型開発ラッシュのスタートを切ろうとしています。市民のくらし優先に変えるのは今です。「長岡京市をよくする会」と力を合わせ、堀川圭太市長実現に全力を尽くします。