2019年連続選挙 統一地方選・参院選どうたたかう 渡辺和俊・日本共産党京都府委員会委員長に聞く
2019年は統一地方選挙(4月)と参院選(7月)が連続して行われる12年に一度の年。統一地方選前半戦の府議選・京都市議選告示日(3月29日)が14週間後に迫る中、歴史的な連続選挙で日本共産党の躍進・勝利をどう勝ち取るか、渡辺和俊府委員長に聞きました。
いよいよ安倍政権倒すときが来た
――12年に一度の連続選挙の年を迎えます。
「いよいよ安倍政権を倒すときがきた」。これが臨時国会を終わっての感想です。自民・公明と維新が多くの悪法をごり押ししましたが、安倍首相が一番やりたかった自民党改憲案の提示は失敗しました。世論をバックに野党が結束してたたかった結果です。「市民と野党の共闘」を発展させ、自公と維新に打ち勝って、日本共産党躍進・倉林明子参院議員の再選を果たせば、安倍政権を倒せる。その思いを強くしました。
統一地方選も、「安倍政治の京都への持ち込みを許すのかどうか」が大争点となります。
府・京都市一体で安倍政治持ち込み
――「安倍政治の京都への持ち込み」とはどんなものですか。
安倍政権は、大型開発・原発再稼働などに力を注ぐ一方、社会保障を削り、消費税10%への増税を企んでいます。憲法を踏みにじって「戦争する国」づくりにまい進してきました。
原発再稼働容認や、事故と約束破りが絶えない京丹後米軍基地問題など、京都府はこんな国のいいなりです。京都市が18歳と22歳の名簿をシールにして自衛隊に提供する問題は、「戦争する国」づくりの一環であり、個人情報の悪用です。
また、ホテル建設ラッシュと違法「民泊」の急増で、住民生活が脅かされています。これも、安倍政治に追随して「もうかる観光」「文化で稼ぐ」政策を進めてきた門川市政の責任です。無駄と環境破壊の北陸新幹線建設強行も、府・京都市が一体となった「安倍政治の持ち込み」に他なりません。
「市民+共産党」が政治動かす力
――連続選挙の〝第一関門〟である、統一地方選での躍進をどう展望しますか。
大健闘知事選と大山崎町の勝利
11議席から14議席に前進した府会、14議席から18議席に前進した京都市会をはじめ、前回選挙(2015年)の到達からさらに前進するのは容易ではありませんが、私は大いに躍進の条件ありと考えています。
福山和人弁護士が、自民党府政下で最高の得票率(44・1%)を獲得し、大健闘した4月の知事選では、「原発ゼロ」「戦争法廃止」などで頑張ってきた広い市民が大合流し、日本共産党とともにたたかいました。
「市民+日本共産党」の、この流れは、10月の大山崎町長選・町議選にも実りました。「公立保育園を守れ」と立ちあがった町民と、草の根の保守、日本共産党が共同して支持した保守の前川光氏が町長に当選しました。共同に誠実に尽くした日本共産党は、町議選で昨年の総選挙比例票の2倍を得票し、1増の4議席となりました。「国・府との太いパイプ」という現職・「オール与党」陣営の振る舞いが通用しなかったのです。
「市民と日本共産党の共同こそ政治を動かす力」。このことが浮き彫りになりました。この道を歩めば、2つの選挙に勝てる。そう確信しています。
消費税10%に批判自民言い訳に躍起
――他党も、もう本番並みの動きをしています。
ええ、今、自民党は有権者の厳しい批判にさらされています。消費税10%について、内閣参与も務める藤井聡京都大学大学院教授が「しんぶん赤旗」日曜版で「増税反対」を主張し、自民党内にも衝撃が走りました。京都選出の自民党衆院議員も、「増税反対」(6区安藤裕氏)、「『中小業者にインボイスは厳しい』という声が出ている」(4区田中英之氏)と発言しています。「大敗した12年前と同様の厳しい選挙」(西田昌司参院議員)と引き締め、統一地方選には現有議席を上回る候補者擁立で、競い合って票を掘り起こし、事態を打開しようとしています。
京都市議選で〝棲み分け〟も
立憲民主党・国民民主党は、国政では私たちの共闘相手です。同時に両党は、京都では自公とともに「オール与党」の一員です。両党を支援する連合京都幹部は、「5年前、共産党に渡してしまった(参院選挙区)議席を奪還するためにも、連合京都は一本化を」「(府議選・京都市議選で)両党合わせて第2会派となるよう調整し、つぶし合いを避けてほしい」との立場です。京都市議選の多くの選挙区で両党の〝棲み分け〟も進んでいます。
共産党議席の値打ち語って
――この激戦をどうたたかいますか。
「国政でも京都の政治でも、安倍政治とその京都への持ち込みと対決し、市民との共同に最も熱心・誠実に頑張る党」という訴えを太く貫きます。
府議団は災害時にいの一番に現地に飛び、利用できる救済制度を被災者に知らせる努力とともに、京都府の災害救援策を前進させるために力を尽くしてきました。京都市議団も、違法「民泊」に反対して地元で頑張る町内会の皆さんなどに、「民泊ハンドブック」を作成して配布するなど、住民目線で苦難解決に力を尽くしてきました。この実績を知らせ、「日本共産党の議席が伸びてこそ」と訴えていきます。
市民・若い世代と共にたたかう
また、倉林明子参院議員の議席の値打ちを訴えていきたい。倉林さんは、麻生財務大臣に謝らせて、消費税を滞納せざるを得なかった中小零細業者への取り立てや差し押さえを許さず、10万人の業者が滞納を分割納付できる道を開いた。「8%の税率で10万人が救済を必要としたのに、10%なんてとんでもない」。このことを強く訴えていきたい。他にも、原発問題では50回を超える質問、漁業者の定置網漁への補助をめざす取り組みなど、関係者からは「仕事が速い。鋭い」と評判です。
また、この間おつきあいが広がった多くの市民の皆さんとともにたたかう選挙、安倍政治がもたらす矛盾の集中点となっている、若い世代とともにたたかう選挙にしていきたいですね。