文化的景観保全は国の責任 左京区岡崎・「無鄰菴」隣接ホテル計画、穀田議員が追及「高さ規制を」 衆院予算委
日本共産党の穀田恵二衆院議員(国会対策委員長)は2月27日、衆院予算委員会分科会で京都市内のまち壊しについて質問し、特に左京区岡崎の名勝「無鄰菴(むりんあん)」隣接地でのホテル計画について、国が「重要文化的景観」と選定した「京都岡崎地域」にあることを挙げ、国の責任として、市に「文化的景観保全のために、ホテルの高さを規制するよう求めるべき」と迫りました。
同ホテルの建物の高さが14㍍で、周辺の景観や無鄰菴からの眺望を台無しにすることを告発し、「これは『地方の問題』にとどまらない」と強調。「京都岡崎地域」は、市の「申出」を受けて、文部科学相が文化財保護法に基づき選定したことや文科省の「文化的景観保護推進事業国庫補助事業」の一つとして、市が整備計画を策定中であることを挙げ、景観保全のための国の責任とイニシアチブの発揮を求めました。
その上で、市の「申出」には「『京都全体の文化的景観の継承に向けた取り組みの橋頭保にする』とまで書いてある」ことを挙げ、「景観はいったん壊されれば元に戻すことは困難を極める。申し出の履行を求めるべき」とただしました。
永岡佳子文科副大臣は「文化財保護法などに基づき市が判断される問題であるが、市から相談があれば適切に対応したい」と答弁しました。
■これぞ政治家の追及/「南禅寺・岡崎の景観と住環境を考える会」斎藤道子さん
穀田議員のこの質問は、反響を呼んでいます。同ホテル計画の高さを10メートルに抑えるよう求める「南禅寺・岡崎の景観と住環境を考える会」のメンバー数人が、同質問をインターネットで視聴。「有志一同」が質問の翌日の2月28日、「有難うございます」「感謝、感謝です!!」として、それぞれの一筆を寄せた礼状を穀田議員に送りました。その一人、斎藤道子さんに質問の感想を聞きました。
インターネットでリアルタイムに視聴しました。本当にすばらしかった。会のみなさんに見てほしいと電話をあちこちにかけました。それほど、うれしい質問でした。この問題では、何度も市に要請していますが、市は私たちの話を一切受け止めてはくれていません。行政は一体誰のためにあるのか、イライラとウンザリを募らせてきました。そんな時、穀田さんが私たちの気持ちを代弁して、端的に国に責任を追及してくれました。さすがです。政治家とはこういう人のことを言うのでしょう。この国会質問が、市に良い影響を与えることを心から期待します。