タクシーの運転者登録制度 “骨抜き”せず実行あるものを
タクシーの新規参入や増車を規制緩和する道路運送法「改正」施行後丸5年の1日、京都のタクシー、トラック運転手、JR労働者らでつくる「交通運輸労働組合京都協議会」(議長・安井暁自交総連京都地連委員長)はJR京都駅前で宣伝し、タクシー運転手ら約80人が実効ある「運転者登録制度」の導入を訴えました。
同制度は、タクシーの安全や運転者の資質を確保するため、運転者に地理試験の合格など一定の要件を満たした上での登録を義務づけるものです。規制緩和後のタクシーのあり方を検討していた交通政策審議会(国土交通省の諮問機関)のタクシー小委員会が昨年7月の報告で全国実施を提言しました。政令指定都市での導入を基本に対象地域の拡大を図ることや地理試験合格を登録要件とすることなどが明記されました。
しかし、経営者側の意向を受けた国交省は今年に入り、一部政令市の当面除外や東京・大阪以外では地理試験を義務付けないなど登録制“骨抜き”構想を打ち出しています。
宣伝では、「タクシーの規制緩和6年目 安全安心のタクシー実現へ実効ある運転者登録制を」の横断幕を掲げて、市民らにチラシを配布しました。安井議長は、規制緩和後、事故や苦情の急増など確実にタクシーサービスの質が低下しているとして、「悪質ドライバーの排除や国際観光都市・京都にふさわしいタクシーとするためにも、京都ではなんとしても地理試験を含めた実効ある登録制度の導入を07春闘を通じて求めていきたい」と話しました。