手作りしょうゆで生きていく 綾部市志賀郷 Iターン移住者が奮闘/株式会社「今しぼり」 地域支える事業に
国産原料、「古式製法」にこだわり
「手作りしょうゆで、地域で暮らし続けられる基盤をつくりたい」―。綾部市志賀郷地区では、Iターンの移住者が株式会社「今しぼり」を立ち上げ、オリジナルのしょうゆを製造・販売を通して、地域での暮らしを支える事業にしたいと奮闘しています。
会社は2017年4月にIターン9家族で設立。代表を務めるのは定年退職を機に大阪から移住してきた多田晃さんです。「Iターンメンバーは子育て世代がほとんどで、将来に向けて生活を支えていける経済的な基盤をつくれればと皆で話し合う中で、しょうゆ作りを始めることになりました」と語ります。
農業で生計を立てたいと移住してきたメンバーは、「農業で食べていくのは厳しい」という状況があるもと、この事業に希望を託しています。また、自給自足などスローライフを目指すメンバーも多く、「手作りしょうゆは目指してきた暮らしの延長線にあるようで自分にあっている」と語ります。
商品の原料は国内産にこだわるとともに、大豆、小麦、こうじ、塩、水だけでつくる「古式製法」で、加熱処理もしないため体に有用な微生物が多く含まれ、「ふくよかな香りと深い味わいで、体にも優しい」製品に仕上がっています。
販売している商品は主に3種類です。1つは、社名にもなっている食べるときにしぼって使う「今しぼり醤油(100㌘、税別800円)」です。「食卓でしぼる一番しぼりのうまみ」が特徴で、しぼった後のもろみを食べることもできます。
「育てる醤油(365㌘、税別2800円)」は、購入者が醤油こうじに水を加えて育てるもので、「自分で仕込み、できたてを味わえる」商品となっています。他に、もろみにごま油やオリーブオイル、サンショウ、タカノツメなどを加えた、3種類の「食べる醤油(税別各800円)」があります。きゅうりにそのままつけて食べるのがおすすめで、肉料理やパスタの味付けなど様々な料理にも合うといいます。
多田さんは、「府内外で少しずつ販路も広がってきていますが、まだまだこれからです。何とか軌道に乗せ、志賀郷発の手作りしゅうゆで地域の仕事興しと経済を元気にすることにつなげられれば」と話しています。
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