住民約100人が参加したパーム油発電所についての説明会(10月6日、舞鶴市)

 舞鶴市で国内最大規模のパーム油発電所の建設が計画されている問題で、事業者による住民説明会が10月6日、同市の喜多公民館で開かれ、周辺住民ら約100人が参加しました。住民からは生活・自然環境への悪影響を懸念し、「つくってほしくない」と反対意見が続出しました。

 事業者は、外資系企業「Amp」が出資する「舞鶴グリーンイニシアティブス合同会社」です。この日の説明会では、Ampと発電所の建設・運営などを行う日立造船の担当者が出席しました。

 説明会では、福知山市で稼働中のパーム油発電所の騒音・悪臭が大きな問題となっているもと、舞鶴市の計画地には住宅地が隣接していることから、騒音・悪臭問題への質問が相次ぎました。

 事業者側は、低騒音機器導入や防音壁設置などの騒音対策とともに、臭いについては17㍍の煙突設置による拡散という対策を示しました。

 これに対し、住民からは、騒音・悪臭の「リスクがあるか、ないか」を明確に示すべきという意見が出され、日立造船担当者は「リスクは感じ方による。臭いと音はゼロではない。ただ国の基準をはるかに下回る」と回答しました。

 これに対し、住民は住環境への悪影響を払しょくできないとし、「他の所につくってほしい」「なぜここに建てるのか」などと計画を見直すよう求める意見が相次ぎました。

 Amp担当者は現状では、計画に対する住民の理解と合意は「得られていない」とし、今後も丁寧に説明していくとしましたが、住民からは説明を重ねたとしても「理解できるものではない」という声が上がりました。

 また、同発電が大量の温室効果ガスを排出すると指摘されている問題に関し、住民の一人は、9月に国連の気候サミットが開かれ地球温暖化対策へ世界的な注目と関心が集まっていると強調。このままでは、海外からのクルーズ船寄港地である舞鶴港にやってきた世界の人々が、舞鶴湾にある既存の石炭火力発電所とパーム油発電所を目にすることになるとし、「地球温暖化で緊急事態といわれるときに、そんなことが許されるのか」と訴えました。