【2・2京都市長選】政策論戦を放棄 門川陣営「反共デマ広告」/“了解なく掲載”“大変遺憾”門川氏推薦人も異論
京都市長選(2月2日投票)で、現職の門川大作候補の確認団体「未来の京都をつくる会」(会長=立石義雄・日本商工連盟京都地区代表世話人)が、「大切な京都に共産党の市長は『NO』」との新聞広告(1月26日付「京都」)を出したことに批判が広がっています。広告に掲載された、門川氏を推薦する各氏からも「了承なく掲載された」「大変遺憾」などの意見が出されています。
つなぐ京都2020「時代錯誤で選挙汚す」
政策論戦を投げ捨てた「反共」広告に対して、「つなぐ京都2020」は同日、見解を発表し、「時代錯誤で選挙を汚すもの」と厳しく批判しました。また、SNS上でも、「醜悪愚劣極まりない広告」「『異論を唱えるものを排除する』っていう意味だよね」「違う意見を排除するやり方は民主主義ではない」などの批判が殺到しています。
重大なのは、顔写真入りで掲載された門川氏の推薦人の各氏からも異論が上がっていることです。
日本画家で、前京都造形芸術大学学長の千住博氏は、自身のホームページに1月27日付で、「千住はアーティストとして、意見の多様性や、議論の必要性を大切にしています。今回のような、ある特定の党を排他するようなネガティブキャンペーンには反対です。まるで千住博がこの様な活動に同意しているような意見広告に、千住の許可なく無断で掲載されたことを大変遺憾に思います」などとした声明を発表しました。
また、本紙の取材に対して、俳優の榎木孝明氏、放送作家の小山薫堂氏がコメントを寄せました(榎木氏のコメントは下記に全文別掲)。小山氏は、「特定の政党を排他するメッセージとともに、それを肯定、賛同しているとも受け取れかねない形で、小山薫堂の名前と顔写真が掲載されていますが、これは、事前の説明も、了承もなく、掲載されたものです」と述べています。
こんな古めかしいことを考えたのは誰なのか
さらに、推薦人の1人は、「品がない。否定からは何も生まれないし、建設的な発想も生まれない。こんな古めかしいことを考えたのは誰なのだろう。もっと今の京都には必要なことがあるはずなのに、情けない」とバッサリ。別の推薦人も、「新聞広告が出るとは聞いていたが、こんな言い方はあかん。それに、私は、共産党はええこと言っていると思っている」と打ち明けました。
つかんだわらが「反共」/同志社大学名誉教授・望田幸男さん
まともな政策を語れず、事実に基づかない福山=共産党とする攻撃で政策論戦を回避しようとする新聞広告を見て「これが3期12年間やってきた市長のやることか」とあぜんとするとともに、なぜここまで政治的に退廃したのか考えてみた。門川市長は、ひたすら国と大企業から言われるままに市政を運営し、もはや長期の思考停止に陥っていた。国民の声など聞かなくてもいい、批判されればウソやごまかしでやりすごせばいいとする安倍政権の政治手法と同一のものだ。 その結果、福山候補から政策論戦を挑まれてことごとく破たんし、広範な市民からも予想以上の批判を受けて行き詰まった。そして「溺れる者」が「つかんだわら」が「共産党攻撃」だった。門川陣営は、旧ソ連や中国と同じイメージで日本共産党を描こうとしているようだが、そのような共産党は日本には存在しない。それは枯れ尾花を幽霊とみる時代錯誤と言わざるを得ない
■俳優・榎木孝明氏のコメント
この度の応援依頼に対して「日本人の精神性と日本文化の拠り所としての京都のますますの発展を祈念しつつ門川大作氏の応援をいたします」と門川氏の事務所にコメントさせていただきました。
京都で自分でプロデュースをした映画を作る際に「京都を使ってください」と言っていただき、京都の文化を大切にする話を伺いその考えに賛同し、門川氏を個人的に応援しますと伝えました。
今回の広告に対しての意見を求められた事はありません。この記事を出すに当たり確認もなかったので、昨日(1月26日)門川氏の担当者に連絡をして今後このような使い方はしないでほしいとお伝えしました。私は政党に対してあくまでも中庸で京都を大切に思う一人です。