市バス特37号系統 住民悲願の延伸実現 北区・西賀茂北部地域へ運行/2008年から運動“大きな前進”
京都市北区柊野学区の西賀茂地域を走行する市バス特37号系統が3月20日の新ダイヤから、西賀茂北部地域へと延伸することが決まりました。住民らが長年、市や市議会へ要望してきたもので、ようやく運動が実りました。住民らは引き続き、特37号の増便と市民が使いやすい地域へのルート変更を求めて、運動していきたいと意気込みます。
特37号系統は現在、北大路バスターミナル前から西賀茂車庫前を通り柊野間を運行します。ところが、住宅地が広がる賀茂川の西側の西賀茂北部地域には走行していません。
今回の新ダイヤでは、柊野から北の高橋まで北上し、賀茂川の西側も運行することになり、住民は喜びの声を上げます。
運動を進めてきたのは、西賀茂地域の住民でつくる「柊野・西賀茂北部の交通問題を考える会」(現在、住みよいまちづくりを考える会に名称変更)で、2008年から開始しました。当時、市バスは西賀茂車庫以北には市バス路線はなく、とりわけ、西賀茂地域は宅地化が進んだことから、市バス運行は住民の〝悲願〟でした。「会」では、市議会への請願(11年、15年)や住民アンケートに基づく区役所・交通局交渉を重ねてきました。
粘り強い住民運動が進められる中で、市は、地域が主体となって進める方式(モビリティ・マネジメント)を採用し、13年に、北区役所と同学区の自治連合会役員などでつくる「柊野地域における公共交通利用促進会議」を発足。「会議」でも、延伸に向け具体的な運行を検討してきました。
増便とルートの改善へ運動継続
こうしたもと、ようやく17年3月、住民の悲願が実現し、柊野までの特37号系統の運行が始まりました。
その後も、「会」や「会議」はそれぞれ、北部への延伸と増便(現在、1日13回運行)に向けて活動を継続してきました。併せて、「会」では、志久呂橋から下流の賀茂川西側ルートについて、住宅地の真ん中を運行するよう求め、区役所や市役所交渉などを行ってきました。
長い運動の中で、メンバーの中には他界した人もいます。「会」では「ここまで実現するのに、時間がかかりましたが、大きな前進です。これからも、市民が使いやすいルートにすることや通勤・通学に合わせた増便へ引き続き頑張りたい」と話しています。
延伸・増便を要求 共産党が繰り返し質問「利用者増につながる」
日本共産党は、西賀茂北部地域での市バス運行を求める運動を激励し、市議会で繰り返し質問してきました。同党の玉本なるみ市議は17年9月定例会代表質問では「増便と延伸が実現すれば、利用者増につながる」と述べ、実施を迫りました。特37号系統の延伸について説明が行われた産業交通水道委員会(今年2月7日)でも、増便とともに住宅地を抜けるルートへと改善するよう求めました。また、自民党議員もこの間、延伸と増便を求める質問を行っています。