無許可造成工事で「安全性保障できない」状態

 八幡市男山で大阪の建設業者が宅地造成法(=宅造法)に違反して、太陽光発電施設設置に向けた造成工事を無許可で強行した問題で、住民団体「男山の太陽光発電建設反対実行委員会」(共同代表=石野喜幸、竹村正輝)は5月11日、建設業者は「事業継続を断念し」「排水設備もないまま2度目の雨期を迎ええようとしている」として、京都府に住民の安心・安全の確保を求める要望書を郵送しました。

 建設業者は、昨年5月、宅地造成法等規制区域に作業用道路建設のために無許可で切土を伴う造成工事を強行。その後、府の指導に基づき仮防災措置を実施。宅造法の許可申請をしたものの、「排水設備計画などが不備」などとする府の補正指示書に、結局、対応することなく審査は中断したまま現場は事実上放置された状態になっています。仮防災措置について府は住民に対して「安全性の保障はできない」と回答したといいます。

 要望書では、建設予定地の下流域では、2012年の京都府南部豪雨の際には、土砂が排水溝に詰まり、道路が冠水したほか、翌年の台風18号豪雨の際には、建設予定地近くを流れる大谷川の内水氾濫により、腰までつかる浸水が発生したとして、違法な造成工事により雨水が流れやすくなっており、以前に増して大量の雨水が谷間から流出するため、土砂災害や水害の危険性が増大していると指摘。「急ぎ住民の安心と安全の確保」を求め、手立てを打つよう要求しています。 また、建設業者は「すでに事業継続を断念し、八幡市に土地買収を求め」「両者の間でその交渉が行われている」として、府として「工事現場を現状のまま放置せず」造成工事前に原状を回復させるよう指導を求めています。