龍谷大学(京都市伏見区)は8日、新型コロナウイルスの感染拡大で、アルバイトが打ち切られるなどで、生活費に困っている一人暮らしの下宿生や留学生ら500人に食材を無償で配布しました。今月2日に続いて2回目の取り組みで、8月末まで毎週火、金曜日に配布を続けるとしています。

 同大学の深草(伏見区)、大宮(下京区)、瀬田(滋賀県)の3キャンパスで、それぞれ10時、12時、14時の3回、米や肉、トマト、キャベツ、キュウリの野菜、レトルトカレー、パスタ、カップ麺など14種類の食材を手渡しました。肉や野菜は1人前ずつに小分けされ、自炊できるようにレシピも付いています。食材は、大学と連携協定を結んでいる自治体や同窓生、教職員からの寄付などによるもの。

 「自炊、頑張って」。大学職員が訪れた学生に声を掛けながら、食材を渡します。深草キャンパスでは、約40人の教職員がボランティアで対応しました。中国からの留学生で新入生の張キセンさん(21)は「日本に来たばかりで不安がいっぱいです。アルバイトが見つからず、困っていたので助かります」と話します。

 2回生の河下賢さん(19)は下宿生。これまで焼肉店とスポーツセンターのアルバイトで月に7万円の収入がありましたが、現在はゼロ。下宿代が月5万円と食費2万円で生活してきました。「学費にためている貯金を崩して4月分の家賃を払った。食費も貯金からは厳しいと思っていたので、食材提供は助かる。これで1週間は頑張れる」と笑顔をのぞかせました。

学生アンケートで3割近くが「食生活に不安」、大学「学生の命守ることが第一」

 食材支援のきっかけは、4月下旬に実施した2万人の在学生を対象にした新型コロナの生活への影響調査で、4475人が回答する中で、1189人(27%)が「食生活に不安がある」と回答していました。

 支援を担当する、学生支援方策検討ワーキンググループ責任者の深尾昌峰(まさたか)政策学部教授は、「アンケートから食生活への不安が大きく、学生の命を守ることが第一と考えました。精神面での不安も大きいと思うので、相談活動などの対応も考えて行きたい」と話していました。