ZOOMでの記者会見。(右2人目から)千五郎、千之丞(6月5日)

能楽シテ方金剛流・金剛龍謹、日本舞踊家・若柳吉蔵、落語家・桂よね吉ら出演

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が解除されたもと、大蔵流狂言師・茂山千五郎家の発案で、京都在住の古典芸能演者を演者に、観客も京都在住者に限定した特別公演「WE’RE BACK KYOTO」を6月27日、円山公園野外音楽堂(京都市東山区)で開きます。

 公演にあたっては、客席の間隔をとるなど、実施には厳しい条件があり、採算の見合うものにするのは困難な状況。しかし、イベント開催が可能になった今、「採算度外視でも公演をやりたい」(茂山千五郎さん)、「狂言界初、能楽界初、京都初となることを散々やってきた子孫としては何かしなければ」(茂山千之丞さん)と企画。能、舞踊、邦楽、落語の演者にも広く参加を呼びかけました。

 公演のタイトルは「京都(人)よ 我々は舞台に帰ってきたぞ!」と舞台人としての心意気を示すものとなっています。

 5日、ZOOMを使って開催された記者会見では、千五郎家の呼びかけに応えた金剛龍謹さん(能楽シテ方・二十七世金剛流若宗家)、若柳吉蔵さん(日本舞踊家・若柳流五世宗家家元)、桂よね吉さん(落語家)がそれぞれ「3月からすべての公演が中止となり当面予定もないなか、声をかけていただきありがたい。公演再開の道筋をたてていきたい」(金剛龍謹さん)、「舞踊も、(関係している花街)宮川町(の行事など)も完全にストップし、真っ暗だった中で電話をいただき光がさした。京都から発信していきたい」(若柳吉蔵さん)、「仲間に入れていただいていいのかなという感じ。(故)米朝師匠から『昼に円山音楽堂で落語は(難しくて)やれたもんやない』と言われているが、がんばりたい」(桂よね吉さん)などと語りました。

 千五郎家は「鶏聟(にわとりむこ)」「蝸牛(かぎゅう)」「仁王」など動きの大きくにぎやかな演目、能は事態収束の祈りも込めて「高砂」、日本舞踊・邦楽は長唄、落語は生の囃子入りの演目―をそれぞれ検討しています。

 午後3時開演。一人7000円。全席自由。

 チケット発売開始は6月13日午前10時から。追加販売が可能となった場合同22日午前10時から午後6時まで追加分の販売を予定。チケット取り扱い・問い合わせ☏075・221・8371(茂山狂言会事務局)。