学費値下げは“学ぶ権利の保障” FREE京都が街頭リレートーク/コロナ禍で困窮、学生5人が訴え
宮本たけし、山井和則両氏が連帯スピーチ
高等教育の無償化をめざして活動する京都府内の学生グループ「高等教育無償化プロジェクトFREE京都」(略称・FREE京都)は8月30日、京都市中京区の三条河原町でリレートーク宣伝を行いました。
コロナ禍による影響についての学生アンケート調査に取り組み、学生の4人に1人が退学や休学を考えているなどの実態と要求をまとめ、各政党、議員との懇談、京都府と京都市への陳情を行ってきました。街頭宣伝は、困窮する学生の実態と学費無償化の必要性を社会にアピールしようと企画したものです。
学生5人と日本共産党の宮本たけし前衆院議員(衆院比例近畿ブロック候補)、山井和則衆院議員がスピーチ。龍谷大学の細川孝教授がメッセージを寄せました。
1回生の吉岡なつみさん(20)は、入学以降、大学構内には2回しか入れず、オンライン授業を受けていると述べ、「感染症対策は理解するが、大学施設を利用できないのに例年通りの授業料を納入することに疑問。そもそも日本の学費は高過ぎる」と訴えました。
アルバイトの掛け持ちと奨学金で、学費と生活を工面せざる負えない状態をこれまでは「仕方がない」と思っていたという大学院生の女性は、「学費値下げは、かわいそうな学生への救済ではなく、すべての人の学ぶ権利の保障」と強調しました。
宮本氏は、高等教育でも「無償教育の漸進的導入」に努めるべきと記された国際人権A規約(社会権規約)13条2を留保していた日本政府が、民主党政権時の2012年9月に、ようやく留保を撤回し、段階的に無償にする国際的責任を負って8年が経つと指摘。「コロナの影響で授業料を半額にした後、約束通り無償化に進むのは当たり前だ」と訴えました。
山井氏は、コロナ対策として観光事業に1兆円つく一方で、学生が学ぶための予算がついていないことを批判。立憲民主や日本共産党など野党が5月、授業料の半額免除など、コロナの影響で困窮する学生らを支援するための法律案を衆院に提出したことにふれ、「きっかけはFREE京都の学生さんの声。一歩一歩ですがみなさんと頑張る」と表明しました。