基地と向き合う若者たち 映画『私たちが生まれた島OKINAWA2018』 京都シネマで25日から上映
安倍政権が強硬に進めている沖縄県・辺野古米軍新基地建設の賛否を問う「県民投票」(2019年2月)では、72%の反対で県民の意思を表明しました。「県民投票」に向けて運動が始まった18年の沖縄を舞台に、基地問題を考え、行動する若者たちを取材したドキュメンタリー映画『私たちが生まれた島―OKINAWA2018―』が、9月25日から京都シネマ(下京区)で上映されます。
企画・製作は、前作『OKINAWA1965』で、好評を博した都鳥(とどり)伸也(監督)、拓也(撮影・編集)兄弟。
登場するのは、「SEALDs RYUKYU」の設立者で、「県民投票」実現に向けて尽力した一橋大大学院生の元山仁士郎さんをはじめ、読谷村(よみたんそん)に暮らす3児の母・城間真弓さん、写真家・豊里友行さん、伊江島育ちの高校生・中川友希さんら。
元山さんは、沖縄戦を知らず、生まれた時から基地があり、基地の賛否を考えることすら面倒臭いと考えている同世代の若者たちにも基地について対話する機会をつくりたいと「県民投票の会」を設立し、署名活動を進めるため奔走。「県民投票」の実施が決まったものの、5市が実施しないと表明。そこで、ある行動に出ます。
3児の母・城間さんは、友人の父が米軍車両にひき殺され、基地の問題を考えるようになり、家族で辺野古の建設予定地前での抗議行動にも参加。同年9月の読谷村議会議員選挙に立候補(日本共産党)することになります。
写真家・豊里さんは東京で写真を学び、基地問題で揺れる沖縄の姿を撮り続け、写真集を出版しています。
中川さんは15歳まで伊江島で育ち、那覇市内の高校に進学。高校の友人と伊江島に渡り沖縄戦について学び、その年、沖縄で開催された高校生平和集会にも参加します。
県民投票のたたかい、翁長知事最後の記者会見、デニー知事の誕生の瞬間、辺野古沖への埋め立て土砂投入に反対する県民大会など、貴重な映像も随所に収められています。
都鳥兄弟は、テレビ番組「ウルトラマン」シリーズの脚本を手掛けた金城哲夫、上原正三の足跡をたどるなかで、彼らの出身地・沖縄を取材することに。
都島監督は「自分のまわりでも、沖縄で基地反対の運動をしているのは一部の人で、それを誇大に報道しているのではとの誤解がある。基地をめぐる若者たちの等身大の姿を紹介したかった。若い人たちに見てほしい」と語っています。
午前9時半。一般1800円、60歳以上1200円、大学生以下・障がい者1000円。京都シネマ☎075・353・4723。