渡辺和俊委員長

 2021年は総選挙の年です。日本共産党は、強権・冷酷、新型コロナ対応では無為無策の菅政権を倒し、「オール野党で政権奪取を」と年初から活動を強めています。同党京都府委員会の渡辺和俊委員長に、総選挙での躍進・勝利に向けたたたかい、京都での野党共闘の展望などについて聞きました。

政権奪取選挙

  ―総選挙の年が明けました。どう臨みますか

 ずばり、この選挙は〝政権奪取選挙〟です。「自己責任」押しつけ、「強権・冷酷」の菅政権に結束して立ち向かい、政権を獲る覚悟があるのか? 野党が国民から問われています。野党連合政権をつくること、日本共産党自身を躍進させること。この2つの目標で臨みます。

政権合意が鍵

  ―野党共闘の展望は

 衆院選の結果は政権に直結するだけに、共闘の姿が見えるには時間がかかるでしょう。自民党政治を変える野党の本気度が国民に伝わるためには、「共通政策」「政権協力」「選挙協力」の3点の合意が不可欠です。過去2回の参院選(2016年、2019年)での共闘や、約50本に及ぶ国会への野党共同法案の提出など、共通政策の合意は一定の到達があり、わが党としては先の第2回中央委員会総会(2中総)で「新しい日本をつくる5つの提案」を示しています。選挙協力(小選挙区における候補者一本化)も中央段階で大筋の合意はありますが、これからの課題です。問題は、「共産党も含めて政権を担う」政権合意が交わされていないことです。

 共闘がどうなるか? まずは、中央段階の政党間の話し合い次第です。

京都でも追求

  ―京都での野党共闘の現状と展望について聞かせください

 定数2の参院京都選挙区と違って、小選挙区制度中心の衆院選では、京都でも何らかの選挙協力が求められます。私たちは、昨年6月、1区に加えて、2・4・5区の小選挙区候補を発表するとともに、「3・6区は検討中」との声明を発表しました。その後も、新しく発足した立憲民主党府連に、政党間協議を申し入れました。このような立場の表明は初めてのことです。

 日本共産党は、単独政権はめざさず、「統一戦線」、つまり市民と野党の共闘を力に、議会活動を通じて連合政権をめざす。これが、綱領の確固とした立場です。従って、政権を争う選挙で、中央段階の一定の合意ができるときに、「京都だけは例外」というわけにはいきません。そのための努力、働きかけは引き続き重ねていくつもりです。

「様子見」排し自ら風起こす

 大切なことは、「京都の共闘はどうなるのだろう?」などと、いわば「様子見」に陥っていては、共闘も党自身の躍進もうまくいかないということです。やっぱり、自らの活動で風を起こすことが、今いちばん必要なことです。

近畿4議席を

  ―2中総では、「様子見」を一掃し、情勢を主導的に切り開くことが強調されました

 2中総は「解散は4月以降の可能性が濃厚」と判断し、それまでに宣伝や対話、要求にもとづく運動や党勢拡大で、何より比例代表選挙での党躍進の勢いをつくろうと、「総選挙躍進特別期間」(4月末まで)を提起しました。

 前回総選挙(2017年10月)で、わが党は、民進党の希望の党への合流という共闘への大逆流にたいして、「身を切って」共闘を守りましたが、比例票を減らし、近畿ブロック(定数28)では4議席から2議席に後退しました。党躍進へ、比例代表選挙が〝主戦場〟です。近畿(2府4県)で180万票、京都で30万票(得票率25%以上)を得て、4議席を奪還したい。

30万票実現へ

  ―30万票というと、一昨年参院選の比例票(16万7302票)を1・5倍化することになります

「共闘」に誠実信頼が広がる

 そうなんです。大仕事ですが、今、府民の皆さんのわが党への信頼と共感が高まっている実感があり、「総選挙躍進特別期間」の奮闘次第で実現可能と考えます。

 前回総選挙のわが党の対応に、多くの市民活動家や無党派の方々が共感し、これらの人々と共に2018年知事選挙や昨年の京都市長選挙をたたかいました。互いに培った信頼関係が、一昨年の参院選の「比例第2党」と倉林明子参院議員の再選に実りました。

 昨年末の宇治市長選挙も、市民が立ちあがり、わが党も一翼を担って、前回選挙の倍、24年来最高の得票率でした。「市民と野党の共闘に誠実・熱心に力をつくす共産党」への信頼が広がりました。

 また、コロナ禍のもとで、民青同盟がとりくんだ困窮学生への食材提供プロジェクトに協力するなかで2000人近い学生が参加し、ボランティアも広がるなど、「困ったときは共産党」という評判も広がりました。

 さらに、昨年後半期に、北部と京都市内で3回の経済懇談会に取り組みましたが、これには金融界や商工会議所のトップ、地場ゼネコンや有力商店街の代表、これまでつきあいのなかった労働組合などが参加され、京都経済の現状打開のために力を合わせようと、交流できました。

 また、昨年一年間を通じて「しんぶん赤旗」購読を直接中央委員会や府・地区委員会に申し込む人が増え、日曜版の党大会現勢は、ほぼ維持できました。新しい読者の中からの入党者も広がりました。党が相談相手となっている民主青年同盟の加盟者も、久しぶりに一年間の目標を達成しました。

 これらの流れをいっそう強めて、何としても「30万票」を実現したいと思っています。

「週刊京都民報」1月10日付より