食料も子ども服も「ありがたい」 西京区で開催「食材支援プロジェクト」 200人以上が参加
西・右京食材支援プロジェクト実行委員会による「食プロ」が2月27日、京都市西京区の境谷会館前で行われ、親子連れや高齢者、若者ら200人以上が参加しました。同会館で4年前から月1回開かれている子ども食堂のメンバーも同実行委員会に加わり、弁当120食分を提供しました。
午前10時半の開始と同時に参加者が詰め掛け、2時間足らずで用意した米やレトルト食品、野菜、日用品などがなくなりました。
家に届いたチラシを持って来た、小学生と保育園児を持つシングルの父親(41)は、フリーのライター。残っていたインスタントラーメンや子ども服を袋に詰め込みました。コロナ禍でほぼ仕事がなくなり、貯金で食いつないでいると言います。「使える制度は探して申請しましたが、かなりきつい。無料提供は本当にありがたい」と話していました。
また、老人福祉施設で介護職として非正規で働く20代のシングルの女性は、障がいのある子どもと暮らしています。子どもが熱を出すと仕事を休み、収入も減るため、近くに住む親に助けてもらっていると言います。職場でのコロナ感染の不安が強く、PCR検査を希望したいと言います。不安な中、スタッフの温かい対応に、涙を浮かべ、感謝の言葉を述べていました。
実行委員会では、チラシ2000枚を阪急桂駅の駅頭や洛西エリアの保育園前など、各地域で配布。食材や日用品のほか、カンパ10万円が寄せられました。実行委員会代表で新婦人西京支部の佐藤麻里子事務局長は「今回シングルの人も来てくれたのがうれしい。まだまだ必要な支援だと思います」と話していました。
子ども食堂「ふれあい食堂けやキッズ」を運営する実行委員会の東憲一さん(76)は、同会館の「カフェ欅」(一般社団法人「洛西住民ネットワーク 街の縁側」主宰)のマスターで、同日に子ども食堂を開くことから共催したもの。ボランティアメンバー18人と弁当120食を準備しました。
東さんは4年前に、食事をしていない小学生との出会いがきっかけで、子ども食堂を始めました。コロナ禍で一時中断しましたが、昨年4月から弁当配布という形で再開。毎月1回、約100食を、中学生50円、高校生100円、高校2、3年生200円で提供しています。「何より子どもにご飯を食べてもらいたい。見守るのではなく、一緒に寄り添うことが大事なんです」
【追記】当初の見出しで「西京区で初開催」としていましたが、正しくは「2回目」でした。見出しは「西京区で開催」に訂正しています(2021年3月8日午前10時30分)。