相楽中部消防組合本部新庁舎の移転先予定地(同組合ホームページより)
予定地は急傾斜地で土砂災害特別警戒区域に隣接

 木津川市の相楽中部消防組合本部新庁舎建設をめぐって、移転先の土地の再考と、消防出張所の廃止反対を求めている住民団体「安心の消防を求める会」(代表=呉羽真弓、岡田眞一)は、同計画に関して、木津川市の河井規子市長に質問状を、相楽中部消防組合に要望書を提出し、それぞれ4月22日に回答を得ました。

 質問状は、本部の移転先とする城山台九丁目の土地について、市自身が開発による水害の危険性を指摘していたこと、急傾斜地で土砂災害特別警戒区域に隣接していることを指摘した上で、○新庁舎建設候補地の最適地と決めた経過、理由○地質調査が行われていないが、土地の安全性の根拠についてなど4点を指摘。さらに、木津西と山城の両出張所廃止について、救急車両の到着が約3分遅れることから、市民の生命、身体の安全を脅かすことを指摘し、8万市民を守る役割を担う市長として出張所廃止をどう捉えるか、の計5点を問う内容です。

 要望書は、▽建設候補地が防災拠点にふさわしいか考慮し、計画の再検討▽建設基本構想に基づき計画が進んだ場合、消防組合議会への説明と市民に情報の提供○住民説明会の開催、その周知。山城出張所管内の説明会を至急開く―の3点です。

 相楽中部消防組合は、木津川市、笠置町、和束町、南山城村の1市2町1村で構成され、組合本部は木津川市にあり、移転先も同市。同組合管理者は河井木津川市長です。

 質問書への回答では、「常備消防力適正配置調査報告書」(17年)に基づき当該地を選定したとし、土地の安全性や根拠については、「今後、着手する基本計画の中で地質調査を実施され、新庁舎の安全性を担保すべく対策を講じられる」と、今後にゆだね、安全性の根拠は示せない内容でした。

 求める会では、回答への見解をまとめ、質問状や要望書とともに住民に知らせるビラを作成する予定です。