先生増やして少人数学級もっと 教育全国署名スタート集会 中・高でも30人以下学級に
国が財政保障する「基礎定数」で教員増に
先生を増やして、もっと少人数学級を進めようと、「子どもと教育・文化を守る京都府民会議」と「京都の公立高校30人学級をすすめる会」は6月6日、京都市左京区の京都教育文化センターで、2021教育全国署名スタート集会を開き、学習と要求の交流を行いました。
学級編制と教職員定数の標準を定める義務教育標準法が40年ぶりに改正され、今年度から5年かけて小学校全学年の学級人数上限を35人に引き下げる計画が開始されたもとで、中学、高校も含め30人以下学級の実現をめざして、運動を広げようと開いたもので、オンライン視聴と合わせ60人を超える参加がありました。
「もっと! 少人数学級~京都の教育条件の現状と課題」と題して講演した山﨑洋介さん(ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会)は、昨年、感染拡大を受けた一斉休校明けの分散登校で、多くの教員や子どもが少人数学級の良さを体験したと指摘。少人数学級制は、〝3密〟を避け、ゆとりある学校環境や子どもに丁寧にかかわれるなど、「学びの基礎的な教育条件を整えるための必須」であり、世界の標準だと述べました。
そして、少人数学級制を教職員増と併せて要求することを強調。教職員の数(教職員標準定数)は、学級数に乗じて算定される「基礎定数」と自治体が申請して文科省が配当する「加配定数」がありますが、施策誘導が働きやすい加配ではなく、法的にも財政的にも国が保障する基礎定数による教員増を求める重要性を訴えました。
教員増の財源を心配する声に答えて、京都府で中学校まで30人編成学級を実現する場合の同会の試算を紹介。増員に要する教員は909人で、非正規から正規化した場合の人件費は、約107億円(国・地方計)で可能なことを示し、「少人数ではなく、世界で当たり前の〝正人数〟の実現」「一人ひとりの子どもを大切にする教育をと要求しよう」と呼びかけました。
少人数学級を求める運動の交流では、京都市左京区、右京区、伏見区、木津川市の保護者や新婦人らから、昨年、取り組んだ「少人数学級を求める署名」運動や自民党の府議との懇談の経験、教育委員会に要望して学級編制数増を解消した取り組みなどの発言がありました。
主催者から、行動提起として、22年度政府予算にむけて、教育予算の増額を求める全国署名(6月末締め切り)と、国会や府議会に向けて教育条件の整備を求める署名(準備中)の取り組み、教育や子育ての願いを出し合う場を設けることなどが、提案されました。