希少動植物、有害残土…北陸新幹線延伸工事で影響懸念 右京区京北で懇談会 共産党・倉林氏「中止へ声上げよう」
日本共産党西地区委員会は6月19日、京都市右京区京北で、府内を縦断する北陸新幹線延伸計画について、住民らと懇談する集いを行いました。同党の倉林明子参院議員・副委員長、吉田幸一衆院京都4区候補が参加し、約40人の参加者と懇談しました。
延伸計画をめぐっては、昨年10月に京北で住民説明会が開かれ、大量の残土やトンネル工事などについて懸念や不安の意見が相次ぐなど、情報開示や中止を求める声が広がっています。
倉林氏は、病床削減法や高齢者医療費2倍化法などが強行された国会について報告し、コロナ禍でも五輪開催に固執する菅政権を批判。北陸新幹線延伸について国交省から聞き取りしたことなどを報告し、「着工のめども立っていない状況。大深度地下工事など環境への影響がどうなるのか、みなさんの意見をぶつけてもらいたい。こんな計画をやるべき時ではないと声を上げ、中止へ追い込もう」と呼びかけました。
吉田氏は、この間、大深度地下工事によって陥没事故が起こった東京都調布市の状況や、莫大な財政負担、大量残土の問題などを解説。京都市が財政難から福祉切り捨ての「行財政改革」を打ち出す一方で、北陸新幹線延伸を推進していることを批判し、「コロナのもとで人の高速移動そのものが見直されようとしている。こんな計画よりも医療や福祉、教育に税金を使うべき。総選挙や府知事選でも延伸計画中止を訴えていきたい」と語りました。加味根史朗西地区委員長が総選挙での躍進を訴えるあいさつをしました。
参加した住民のひとりは、京北周辺では絶滅危惧種のベニバナヤマシャクヤクなど貴重な動植物が生息・自生しているとし、「こうした貴重な動植物を守るためにも延伸計画は見直すべき」と述べました。別の住民は、残土から出るヒ素などの有害物質の影響が不安とし、「ヒ素は掘り出して空気に触れると危険。巨大なトンネル工事は中止すべき」と語りました。