『シュシュシュの娘』 制作プロダクション・配給:コギトワークス 企画・製作:BROCCO

 『22年目の告白〜私が殺人犯です〜』(主演・藤原竜也、伊藤英明)、『AI崩壊』(主演・大沢たかお)など最近はメジャー映画で知られる映画監督・入江悠(ゆう)がコロナ禍で苦しむ映画スタッフ、ミニシアター、学生に元気になってもらおうと自主製作した『シュシュシュの娘(こ)』が出町座(京都市上京区)、京都みなみ会館(京都市南区)で上映中です。

 昨年からコロナ禍で全国のミニシアターが苦境に立たされ、映画関係者も多くが仕事を失うなか、入江監督は自らの原点である自主映画の製作を決意しました。

 撮影にあたり、▽仕事を失ったスタッフ、俳優と商業映画では製作しえない作品を作る▽未来を担う学生たちと、新たな日本映画の作り方を模索する▽全国のミニシアターで上映する─計画を立てました。

 監督自ら出資し、企画に賛同する人たちによるクラウドファンディングの支援金のみで製作することにしました。
スタッフ・キャストも監督自身がSNSで募集しました。

 作品は架空の町・深谷市が舞台。市役所に勤める鴉丸未宇(からすま・みう)(福田沙紀)は、ひとり身の祖父・吾郎(宇野祥平)の介護をしています。市役所では孤立し、寄り添ってくれるのは役所の先輩・間野幸次(井浦新)だけ。

入江悠監督

 深谷市では市長を先頭に外国人排斥条例の制定を目指し、実現のため職員に文書改ざんが指示されていました。良心の呵責(かしゃく)にさいなまれた間野は自ら命を絶ちます。未宇は悲嘆にくれますが、吾郎に「仇をとるために、改ざん指示のデータを奪え」と命じられ、立ち上がります。

 製作、脚本、編集も入江監督が手掛けます。スタッフはこのほか、プロデューサーが『私立探偵濱マイク』『海猿』などの関友彦、撮影が『ウィン・ハンドマン─名優を育てる演技指導』の石垣求、照明が『しあわせのマスカット』の高井大樹、録音・整音が『AI崩壊』の古谷正志、衣装デザインが『鉄道員』の橋正史、音楽が『百円の恋』の海田庄吾など。実力派が結集しました。

 ◆出町座 21日〜26日午後3時、27日~9月2日午後1時35分、3日以降時間未定。1800円、60歳以上1100円、学生・障がい者1000円。問い合わせTEL075・203・9862。
 ◆京都みなみ会館 21日~26日午後6時。27日以降時間未定。1800円、60歳以上1200円、学生・障がい者1000円。21日はすべて1000円。問い合わせTEL075・661・3993。