【2021総選挙】衆院解散 共産党府委員会会見での一問一答
10月14日に行われた、衆院解散にあたっての日本共産党京都府委員会会見での質疑応答は以下の通りです。渡辺和俊委員長、宮下雅之、寺田茂両副委員長が答えました。
―3区、6区での「自主投票」は候補者擁立の見送りということか。京都で、衆院選小選挙区の候補者擁立しなかったことは初めてとなるか
そうです。2016年の京都3区補選で例外的に候補者擁立を見送り、「自主投票」としましたが、本選挙では全小選挙区で候補者を擁立してきました。
―候補者擁立しないのは「異例の対応」だが、委員長としての思いは
歴史上初めて政権を争う衆院選で、私たちが求めてきた「共通政策」「政権協力」「選挙協力」の3つで合意してたたかうこととなる。心から歓迎したい。
京都は状況が違うが、中央段階でこうした合意が成立した意義は重く、画期的な成果で喜ばしいこと。これまで、「野党はなぜバラバラでたたかうのか」との批判もあったが、共闘体制がなければ候補者一本化にも進めない。比例での日本共産党の前進をはかりながら、野党全体で過半数を獲得し、政権交代へ全力をあげたい。
―5区は、共産、立憲双方の候補者が立候補を予定しているが
そもそも、候補者一本化は小選挙区289全てで目指しているわけではない。立憲側もそうだと思う。自民、公明の現職と競り合っているところ、勝利する可能性が大きい選挙区に絞って対象としてきた。
また、現在の小選挙区比例代表並立制という選挙制度の下では、小選挙区で候補者を立てないと、公示日以降、当該選挙区では選挙カーを運行できないなど選挙活動上の制約が大きいということもある。
そもそもの候補者一本化についての原則とともに、公選法上の問題点という両面があり、2区、4区、5区については候補者を擁立してたたかいます。
―(1区、3区、6区についても)調整していないということですか
立憲側は「選挙協力は行わない」とはっきり表明している。相手が嫌がることはしない。だから、協力関係にはない。ただ、自公政権を倒すうえで、野党がバラバラではいけない。1区では、今のところ、こくた氏は実質的に野党統一候補となっているように、各選挙区では結果的に、唯一の野党候補になっているということ。
―立憲側とは「すみ分け」のような状態だが、“あうんの呼吸”のようなものはあるのか
立憲側とそうしたものはないが、流れはある。京都では、府知事選挙、京都市長選などでは政党の枠組みでは「オール与党」対「共産党」という構図が続いてきた。
しかし、2015年の安保法制をめぐるたたかいから、全国的には市民と野党の共闘が広がり、2016年、2019年の参院選では全国32の1人区で野党統一候補が一定の勝利をおさめる大きな成果を得た。この結果、参院では、改憲勢力が発議に必要な3分の2を下回ることとなった。これは、安倍元首相の悲願を打ち砕くこととなり、退任理由にもなっていると思う。そういう意味では、野党共闘は大きな成果をあげてきている。これは大きな流れ。なので、私たちの側から、(京都でも)最初から共闘を諦めるという態度はとってこなかった。市民と野党の共闘で自公政権を倒すことを6年間、とことん追求してきた。
―野党共闘の要である穀田氏のお膝元でうまくいっていないことについては
市民と野党の共闘で政権交代に臨む初めて選挙。都道府県ごとに温度差はある。京都で、日本共産党がもっと大きく伸びてこそ、こうした状況も変えられると考えている。
―あらためて、立憲府連・泉会長が「共産党とは選挙協力は行わない」と表明したことをどう考えるか
泉氏が「京都では共産党と協議したことはなく、協力関係にない」と述べたように、そうした経過がないことは事実です。ただ、泉氏は「京都では―」と述べており、今回成立した中央段階での合意について否定しているわけではないことが大事だと思っている。
―京都での勝敗ラインをどう考えるか
わが党は、比例代表選挙を主舞台としてたたかう。衆院定数465の内、比例代表176の中でどれだけ議席を伸ばすことができるか。京都は、この間の国政選挙では一貫して比例30万票を目標としてきた。この比例30万票実現と、京都1区で、実質的な野党共同候補であるこくた氏の勝利が勝敗ラインとなる。
―政策面では何を訴えてたたかうか
今張り出しているポスターにもあるように、「なにより、いのち」が大テーマになる。コロナ禍のもとで1万8000人を超える人がなくなり、第5波では自宅で命を落とすという政治の貧困としかいいようのない事態が生まれた。コロナ禍を体験して、多くの人がこうした事態を招いた政治に目を向け始めている。命を守る選挙であり、命を大切にする政治の実現を目指す。
また、気候危機の打開、ジェンダー平等社会の実現は、まったなしの日本社会の重要な課題であり、若い世代への働き掛けと併せて重視して訴えていく。
―れいわ新選組との関係は。2区で(候補者が)バッティングしているが
れいわ新選組は9月8日の市民連合との共通政策で合意を交わした政党であり、友党と考える。また、2019年参院選では倉林参院議員に、2020年京都市長選では福山和人さんに応援をいただいた仲間。互いに競い合って、自公政権を倒すために頑張りたい。
―立憲府連と話し合いが進まなかった、距離があるのはなぜか
私たちはいつでも話す用意はあります。(立憲側がどう思っているかは)立憲に聞いてほしい。この間、市民連合「ユナイトきょうと」のみなさんの活動が活発になっていて、申し入れを通して、(立憲)双方と、互いの言っていることが(間接的に)伝わったりする状況はあったと思う。今後も選挙を積み重ねるなかで話し合う機会も生まれると思っている。
―今日の解散後に自民党・甘利幹事長が立憲と共産の閣外協力について、「自由民主主義か共産主義が入る政権選択だ」と発言した。一種の反共攻撃で、こうした反共攻撃が選挙戦でも展開されると思うが
そうした反共攻撃は既に始まっている。野党攻撃は、以前は「悪魔の民主党政権」というものだったが、今度の総選挙では、共産党に対する攻撃で、立憲側をゆさぶる、共産党と立憲との離間をはかる、という攻撃になっている。
産経新聞でのインタビューで伊吹氏も同様のことを述べていた。また、今回は、維新がこうした野党攻撃の先兵の役割を担っている。それだけ、自民党にとって、野党がまとまることが脅威であることの表れであり、これを打ち破ってこそ、政権交代は可能になる。軽視せずに反撃しながらたたかいたい。
また、京都では、昨年の京都市長選で新聞広告を使った反共攻撃が行われたが、その際、立憲の議員や幅広い市民からこれを批判する声があがった。こうした反共攻撃を市民的に打ち破る条件が生まれている。さらに言えば、共産党が政権選択をめぐって、そのように扱われること自体が初めてのこと。現政権がそこまで考えるような選挙になっているということが大事なところと考える。