「北陸新幹線京都延伸の環境アセスの一旦停止を求める会」は12月4日、京都市左京区の京都教育文化センターで延伸計画と府政を考える市民集会を開催。71人が参加し、各地で運動に取り組む市民が交流しました。

 同会メンバーで市民環境研究所の石田紀郎代表があいさつし、「この計画は、経済性も安全性も確保されていないとんでもないもの。こんな計画を許さないためにも歩み続けよう」と述べました。

 同会事務局長の榊原義道さんが報告。鉄道運輸機構による説明会や環境アセスメントの本調査が各地で進められ、住民の反発を招いていることや、早期着工を狙う政府・与党の狙いなどを告発。○大量の掘削残土の処理問題○ヒ素などの土壌汚染○活断層による影響○水環境の破壊○大深度地下法の適用問題○建設費負担○並行在来線問題─など問題点を列挙し、「残土捨て場などを明確にしないと府民の安全は保障できない。府知事に対し、自治体の長として、役割を果たさせるためにも署名を広く呼びかけよう」と述べました。

 南丹市美山町田歌区の北陸新幹線対策委員長を務める長野宇規さんが講演。同延伸ルート選定経過の問題点などを告発し、「経済的な利点もはっきりしないまま、与党のプロジェクトチームがこのルートを決めた。誰も合理性を説明できない計画。府は国の計画だとして他人事のような対応をしている。白紙撤回を求める署名に取り組もう」と訴えました。

 各地からの参加者が発言。「住民説明会が開かれたが、納得できるものではない。まともな説明もないまま計画を進めるべきではない」(右京区京北の住人)、「京田辺でもボーリング調査が行われていた。松井山手がどのように開発されるのか、注視している。運動を広げていきたい」(京田辺市民)、「自然を壊す計画は許されない。署名にさらに取り組んでいきたい」(京都労山)などの発言がありました。