再エネがもたらす〈大改革〉 高垣博也監督ドキュメンタリー『ヴェンデ』 18日に完成披露上映会
福島第一原発事故後に被災地や青森県六ケ所村などを取材したドキュメンタリー映画『バベルの塔』を手がけた髙垣博也監督が、原発事故10年にあたり、再生可能エネルギーの実践を追った『ヴェンデ─光と水のエネルギー』を制作。12月18日、京都市中京区のウイングス京都で完成披露上映会が行われます。
「ヴェンデ」はドイツ語で「大改革」の意味。化石燃料や原子力に依存するエネルギーから、再生可能エネルギーへと転換するエネルギー改革の意味でも使われています。
映画『ヴェンデ』は、原発に代わる再生可能エネルギーの可能性について探ろうと取材をしたもの。関東を軸に取材した作品があることから、関西を中心に撮影が進められました。
実践例として、南丹市の大河内生産森林組合による太陽光発電所をはじめ、新婦人京都府本部と京都農民連が京都産直センター事務所に設置した太陽光発電「わたしのでんき・自然エネルギー産直」、農地に太陽光パネルを設置する亀岡市のソーラーシェアリングの取り組み、奈良県東吉野村の小水力発電「つくばね発電所」を紹介。
また、自然破壊を伴い、問題のある事例としては、米外資系企業が事業を進め、住民が粘り強く反対運動を展開する南山城村のメガソーラー開発の現場を住民の声ととともに紹介しています。
気候ネットワークの 浅岡美恵代表や、元日本環境学会会長の和田武・和歌山大学客員教授のインタビューも取材しています。
撮影は、稲作に取り組む青年を描いた劇映画『ごはん』(2017年)でメガホンを取った安田淳一さん、音楽は、『バベルの塔』でもタッグを組んだ作曲家の小林一尚さんがそれぞれ担当しています。
髙垣監督は「関西でも取り上げきれないほど豊かな実践が取り組まれていました。それと同時に、小規模再生可能エネルギーを進めていくうえで、農業や林業が大きく関わっており、どう発展させていくかが問われていることも分かりました。再生可能エネルギーの現状を知ってもらい、ともに考えてもらえれば」と語っています。
【完成披露上映会】 午後2時。1000円。問い合わせ℡075・256・1707(京都映画センター)。