再審法改正を大きな世論に 「大崎事件」弁護団・鴨志田氏が講演 同法改正目指す「口丹波の会」結成
無実の人を一日も早く救済するため、刑事裁判のやり直し再審のための「再審法改正」をめざす口丹地域の住民らが1月29日、南丹市国際交流会館で、再審請求事件に携わる鴨志田祐美弁護士を招いた講演会を開きました。住民らは「再審法改正をめざす口丹波の会」を結成しました。
鴨志田弁護士は、自身が弁護団事務局長を務める「大崎事件」の内容を解説。同事件は1979年、鹿児島県大崎町の牛小屋で中村邦夫さん(当時42歳)の遺体が見つかったもので、中村さんの義理の姉の原口アヤ子さん(94)ら4人が殺人や死体遺棄の罪で服役しました。原口さんは一貫して無実を訴え、4回目となる再審請求の審理が鹿児島地裁で進められています。
鴨志田氏は、再審請求の中で積み上げてきた、遺体の鑑定結果や地域住民の供述、映画監督の周防正行氏による実写再現などの証拠を示しながら、「検察側が作ったストーリーは矛盾だらけ。94歳の原口さんの無実を証明するため、一刻も早く再審を行うべき」と強調しました。
日本では数多くの冤罪事件が起こっていることを示しながら、検察や警察が無罪方向の証拠を裁判で提出しない問題や、再審への手続きが整備されていないことなどを指摘し、「日本国憲法に基づき、再審開始決定に対する検察の不服申し立てを禁止すべき。大きな世論が必要です。再審法改正を求める署名にご協力をお願いします」と呼びかけました。
講演会の後に、「再審法改正をめざす口丹波の会」の結成総会を開催。1999年3月に発覚した「長生園3000円不明金事件」で、無実を訴えてたたかっている西岡廣子さんが、「無実を訴える活動の中で、たくさんの人から励まされています。今でも11月になると逮捕されたことや、寒い拘置所にいたことを思い出してしまう。冤罪をなくすためにも賛同者を広げ、再審法改正を実現しましょう」と訴えました。
同会呼びかけ人があいさつし、学習会や宣伝、口丹2市1町の各市町議会で再審法改正を求める意見書採択を実現するなどの会則を確認しました。