京都市が、世界遺産・仁和寺(右京区)の門前に計画されているホテルを「上質宿泊施設」に選定した問題をめぐり、鰺坂学・同志社大学名誉教授や塩崎賢明・神戸大学名誉教授ら学者・研究者32人が連名で3月2日、選定を撤回し、根本的な再検討を求める申し入れを門川市長と選定に係る有識者会議宛てに提出しました。

 計画の事業者・共立メンテナンス(東京都)は、中央労働委員会と大阪府労働委員会から、それぞれ不当労働行為により命令書の交付を受けた事業者。そのため、昨年10月15日から法令違反を理由に、京都市から入札参加を停止されています。

 申し入れ書では、上質宿泊施設誘致制度要綱には、選定に際して「雇用の創出・安定化に寄与する」ことを要件としていると強調。市が選定(2021年4月19日)により、ホテルの延べ床面積の規制緩和(3000平方㍍⇒5800平方㍍)を行おうとしていることについて、要綱に適合しているのか「自治体や市民の良識に照らしてみても著しく不合理であり、非常識な判断」と指摘しています。

 この日、片方信也・日本福祉大学名誉教授、中島晃・元龍谷大学大学院客員教授らが市役所を訪れ、申し入れ書を提出。2週間以内に文書での回答を求めました。