ウクライナ侵略 ロシアの行動は国際法上正当化できない 山田卓平法学部教授が講演/「龍大9条の会」学習会
龍谷大学の教職員、学生らが参加する「龍大9条の会」は3月22日、国際法を専門とする山田卓平法学部教授を講師に、「ロシアによるウクライナ侵攻と国際法」をテーマにした緊急学習会をオンラインで開催しました。
山田教授は、国連憲章2条4項では、国際関係において、武力による威嚇や武力行使を禁じているが、例外的に51条で個別的自衛権または集団的自衛権により正当化が可能と説明。
プーチン大統領が侵攻理由について、国連憲章第51条に従い、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国との友好相互援助条約に従って「特別軍事作戦」を行うことを決定した、と説明したことをあげ、この考え方が正当化できるかを検証しました。
山田氏はまず、自衛権または集団的自衛権行使をするためには、「国家」への武力行使が前提となるが、両「共和国」の独立は国際法上有効でなく、ロシアは集団的自衛権を主張できない、と指摘。
さらに、仮に両「共和国」の独立が有効だったとしても、集団的自衛権を行使するための要件として、自衛行為の必要性や均衡性などが求められるが、ロシアは両「共和国」の防衛だけでなくウクライナ全土を攻撃し、ウクライナの非軍事化と非ナチス化などを最終目的としており、均衡性を満たさず、集団的自衛権では正当化できない、と結論付けました。
講演に先立ち、奥野恒久・政策学部教授が龍大9条の会設立の経過などについて説明し、代表世話人の長上深雪・社会学部教授が開会あいさつ。講演後、代表世話人の本多滝夫・法学部教授が閉会のあいさつをしました。