京都を拠点に25年間、活動している劇団「二人だけの劇場 セザンヌ」恒例の円山野外公演が12日から始まりました。毎月第2土曜日の午後、同公園のしだれ桜前で行ってきたもので、今年で25年目を迎えました。
 新緑の下、さわやかな風の中で、同劇団の主宰者で女優の遠藤久仁子さんが産声を上げた蝶がため池の主に励まされながら短い一生を終えるまでを描いた朗読劇「おいでもんしろ蝶」(工藤直子作)を演じました。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」、ふくひろ・作の「一羽の鳩」などを諳んじました。
 このほか、俳優の浜崎麿吉さんのトルコの気高い民族の飢餓を綴った詩の朗読劇、会社員の西田靖弘さんが友情出演でサンスクリット語による般若心経を唱えました。
 遠藤さんは「ここは私の演劇活動の原点。素晴らしい文化作品のエッセンスを伝えられ、見た方がほんのひと時でも心の安らぎを得られ、人生を慈しむきっかけができればと続けてきました。命の続く限りこの場で演じて生きたい」と話しています。
 次回の円山野外公演は6月9日午後2時。無料。今後の上演予定などの問い合わせ先は「二人だけの劇場 セザンヌ」TEL075・672・3426。http://www.cezanne1983.com/