後期高齢者医療 「日本の医療制度破壊する」
来年4月から導入される後期高齢者医療制度をめぐり、一律に保険料徴収することや資格証明書発行の義務化などについて、府内の開業医から多くの疑問の声が出されていることが府保険医協会が行ったアンケート調査で分かりました。
同協会の代議員99人にアンケートしたもので、45人が回答。後期高齢者医療制度は、昨年8月の医療制度改革関連法成立で08年4月から導入が決まったもので、現在の国保や政管健保などから独立した、75歳以上の後期高齢者を対象とした新たな医療制度です。
75歳以上1人ひとりから保険料を徴収し、厚生労働省の現在の試算では月額6200円です。今まで被扶養者の人も含めて一律に保険料を賦課し、年金月額1万5000円以上の人は年金からの天引き(特別徴収)です。また、保険料滞納には資格証明書の発行が義務付けられています。
アンケートでは、一律の保険料徴収について、「認められない」が70%に上り、保険料の年金天引きは「許されない」が65%、資格証明書発行義務化も「認められない」が61%と基本的な制度設計に多くの疑問が出されています。自由意見では、「医療費総額の抑制のみの政策であり、ますます日本の医療制度を破壊させる」、「全額国庫負担(妥協策で1割窓口負担)にすべき。財源はこれまで下げ続けてきた法人税や高額所得者の所得税を元に戻せば十分」などが出されています。