児童館・学童保育所職員との団体交渉「京都市は応じなければならない」府労委が命令 市管理委運営施設に限定も、福祉保育労京都地本「市を使用者と認定、意義大きい」
京都市が、児童館・学童保育所の職員らでつくる全国福祉保育労働組合京都地方本部(福保労京都地本)との団体交渉を拒否し、同本部が団体交渉に応じるよう府労働委員会に救済の申し立てをしていた問題で、府労委は6月1日、市に対して団交に応じなければならないとする命令を出しました。ただし、団交に応じなければならないとしたのは、市学童保育所管理委員会が運営する施設(8カ所)に勤務する組合員に限定しました。これを受け、福保労京都地本は市役所内で記者会見し、命令について「一部勝利命令」としながらも、「直接契約関係にない市を使用者として認めたもので、その意義は大きい」と訴えました。
この問題は、市が2020年に突然、京都地本と毎年行っている団交を打ち切ったことによるもの。市の児童館・学童保育所(139カ所)の運営は、民間団体などに委託されています。しかし、京都地本の長年の闘争が実り、市は1989年から、直接の労働契約関係がないことを認めた上で、賃金や労働条件についての団体交渉に応じてきました。その結果、ほとんどの児童館・学童保育所が市がつくった給与表に従い、同一の労働条件が実現してきました。
同命令では、市を団交の相手と認めた上で、管理委員会が運営する以外の施設は、市が決めた給与表以外にも手当などを支給するなど独立性があるため、団交の相手は市ではないとしました。
記者会見で、京都地本の大西謙委員長は「府労委によって、部分的だが申し立てが認められたことは大きい。これまでの闘いの成果だ」と述べました。京都地本学童保育・児童館支部の大西良武委員長も「一部とは言え勝利したことは大きい」と述べました。
弁護団の塩見卓也弁護士は、「団交できるのは組合員の一部になるが、交渉した結果の給与表が、他の児童館・学童保育所にも使われるので、影響は小さくない」と話しました。