「京都の住民運動が『勝利和解』の力に」 守口市・学童指導員雇い止め事件原告と仁和寺門前ホテル住民運動関係者がエール交換
世界遺産・仁和寺(京都市右京区)の門前で、大規模ホテル計画を強引に進める共立メンテナンス(本社・東京都)をめぐり、同社が守口市で受託した学童保育事業で行った指導員の不当雇い止め事件訴訟がこのほど、大阪地裁で和解(4月18日付)しました。原告の指導員が「全面勝利」を勝ち取ったもので、同ホテル計画中止を求める住民らが5月26日、京都市内に原告を招き、勝利を祝福するとともに連帯のエールを交換しました。
京都・まちづくり市民会議が、京都市中京区のハートピア京都で開いた「まちづくりしみん塾」でのことです。原告の堂徳尚子さんがあいさつし、「共立メンテナンスは、雇い止め後に残っていた受託期間(4年)中の賃金相当額(残業代、賞与を含む)と慰謝料相当の解決金とで計1億3450万円を支払うことになりました」と報告。「私たち原告の職場復帰こそ実現しなかったものの、裁判で獲得できる最大限のものをさらに超える勝利和解となった」と述べました。
その上で、同社を追い詰める要因にもなった、京都でのホテル計画中止を求める住民運動に感謝の意を表明しました。併せて、中央労働委員会と大阪府労働委員会が、それぞれ同社の行為は違法として是正命令を出したことを受け、京都市は2回(1回目は昨年5月18日~7月20日、2回目は昨年10月15日~和解後の今年4月27日)にわたり、違法行為が是正されるまでの間、競争入札参加を停止したことに言及。「この意義は大きかった」と強調しました。
今後の闘いとして、「守口市の責任追及とともに、再び共立メンテナンスが、守口市での学童保育事業を受託しないようにしたい。自社の利益だけしか考えない共立メンテナンスのホテル計画中止へ、一緒に連帯していこう」と訴えました。仁和寺門前ホテル計画に反対する住民運動に取り組む桐田勝子さんが、原告らの労をねぎらい、花束を贈呈しました。