横断幕を手に京都地裁に入る原告、弁護団ら(6月7日、京都市中京区)

 建設現場で働き、アスベスト(石綿)を扱って肺ガンや中皮腫を発症した京都の労働者や遺族ら12人が6月7日、建材メーカー14社に損害賠償を求めて京都地裁に提訴しました。

 京都の建設労働者らによる同種の訴訟の第3陣で、メーカーのみを相手にした新規訴訟。同日は、全国各地(10地裁)で190人が一斉に提訴しました。

 建設アスベスト訴訟は、最高裁判決(2021年5月17日)以降、国とは各地で順に和解が成立し、創設された建設アスベスト給付金法に基づく救済も進んでいます。一方、アスベストの危険性を知りながら販売した建材メーカーらは、裁判で争いを続け、国が創設した基金にも参加していないことから、改めてメーカーに被害者への真摯(しんし)な謝罪、アスベスト被害の完全救済を求めて訴えを起こしました。

 原告団長の端明さん(71)=塗装=は、「まさか自分が原告になるとは思っていなかった。みなさんの応援を得ながら頑張ります」と決意を表明。

 弁護団長の村山晃弁護士は、最高裁で国と企業の責任が認められ、賠償に応じるべきとされたにもかかわらず、救済に背を向ける企業の態度を批判。「一日も早い勝訴、企業責任の範囲の拡大など追求し、被害者の全面救済をめざして全力で奮闘する」と訴えました。

 京都では提訴後、地裁前でアピール行動を行い、原告団と弁護団、支援者らが参加する提訴集会をハートピア京都(京都市中京区)で開催。京建労の平山幸雄委員長、京都総評の梶川憲議長らが連帯のあいさつをしました。

 アピール行動には、日本共産党の、たけやまさいこ参院京都選挙区候補も参加しました。

訴訟支援のアピール行動で激励のあいさつを行う、たけやま氏(6月7日、京都地裁前)