植物園一帯の商業施設化を懸念 なからぎの森の会が戸部園長と意見交換 「北山エリア開発」めぐり
京都市左京区の府立植物園の環境を保全するよう求めている住民団体「京都府立植物園整備計画の見直しを求める会」(別称・なからぎの森の会)は7月1日、同園の戸部博園長らと懇談し、府が示す「北山エリア整備基本計画」への懸念や植物園のあり方への願いを意見交流しました。
会の鯵坂学共同代表は、同「基本計画」で、植物園の南側に隣接する府立大学の敷地に収容1万人規模のアリーナ(共同体育館)が建設されること、樹木で覆われた園の垣根が一部取り払われるなど、従来の植物園の環境が一変する事態を懸念して運動を始めたことを紹介。その上で、同「基本計画」に基づく懸念として、▽垣根が取り払われ、多くの人の出入りが予想されることで起こる環境への影響▽バックヤードへの影響▽巨大アリーナ建設による人や車の流れ—などを挙げ、園側の認識について尋ねました。
園側は、計画はまだ決まったものではなく、現在、職員からの意見を聴取しており、今後一般市民の意見を聞く機会も設けて具体化する意向を示しました。
会の共同代表らは、2000人規模の学生が学ぶ府立大学に、1万人収容のアリーナの建設を地域住民は望んでいないと強調。地域全体が商業施設化され、植物園の環境の侵食や、自然に囲まれた景観が壊されないか心配していることを伝えました。
戸部園長は、「植物園に影響がないよう最大限、配慮したい。意見は承る」と述べました。
【追記】当初記事の見出しと写真の説明文で園長の名前を「戸田」としていましたが、正しくは「戸部」です。訂正します(2022年7月9日午前9時18分)