いかに生き、いかに老いるか 映画『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』 京都シネマで10月21日から27日まで
反戦、脱原発などを訴えてきた作家で「憲法9条京都の会」代表世話人、故・瀬戸内寂聴を追ったドキュメンタリー映画『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』が10月21 日(金)から27日(木)まで、京都シネマ(京都市下京区)で上映されます。
映像ディレクターの中村裕が2004年から取材を開始。NHK「いのち瀬戸内寂聴密着500日」は15年のATP賞ドキュメンタリー部門最優秀賞を受賞。その後もコロナで撮影が出来なくなる21年まで17年間取材し、映画化。法話する〝表〟の姿だけでなく、監督がなかば家族のように食事し、酒を酌み交わし、ふともらした本音をていねいに拾っています。
不寛容な空気が漂う現代社会で、彼女の言葉や生き様は人間の生命力とは何かを感じさせ、いかに生き、老いるのかを考える上でヒントになります。
1957年、『女子大生・曲愛玲』の新潮社同人雑誌賞を皮切りに、受賞多数。73年、51歳のときに天台宗で得度し、京都嵯峨野の寂庵を拠点に作家、僧としての活動を展開。
『源氏物語』の現代語訳を始めた際の97年、本紙のインタビューに応じ、紫式部は「女性が自由になる社会を夢見ていたい」と述べ、日本の政治についても話題を転じ、「政治家なんて特に危機感がない。でも、清潔なのは共産党だけですものね。だからもっと自信持ちなさいよ」などと語っていました。
憲法9条京都の会代表世話人として積極的に活動。93歳だった2015年には、安保法制に反対する国会前の集会に病み上がりにも関わらず、駆け付けマイクを握りました。
12時40分。一般1800円、60歳以上1200円、障害者手帳保持者・大学生以下1000円。問い合わせ☏075・353・4723(京都シネマ)。
なお、10月31日(月)まで京都高島屋で『たくさんの愛を、ありがとう 追悼瀬戸内寂聴』展も開催中。
【訂正】週刊「京都民報」10月16日付11面に掲載した上記記事で上映開始日を「28日から」としていましたが、正しくは「21日~27日」です。