舞鶴市議選 市民の要求届け市政動かす 共産党議員団・いだ悦子、小杉悦子、小西洋一 3議席確保目指す 11月13日告示・20日投票
コロナ・物価高騰 独自支援策求め9次の申し入れ
舞鶴市議選(定数25)が11月13日告示、同20日投票で行われます。日本共産党は、いだ悦子(67)、小杉えつ子(66)、小西洋一(64)の現職3議席の確保を目指しています。市長が「少数議員団の公約は全く実現不可能」(「広報まいづる」2019年5月号)などと暴論を主張するもとで、同党議員団は市民や事業者の要求をもとにコロナ・物価高騰対策拡充や防災対策強化などの実現を粘り強く求めてきました。
コロナ・物価高騰対策をめぐり、議員団は事業所への聞き取りを実施するなどし、寄せられた声をもとに9次にわたり中小業者支援の独自施策実施などを申し入れてきました。
6月定例会では、長引くコロナ禍に加え、物価高騰の影響が深刻だと指摘。議員団の商店街調査の結果、「食用油(の仕入れ値)が倍になったが、同じように(商品は)値上げできない」(食料品店)、「シャンプー、洗剤などの値段が上がっている」(理髪店)などの実態を示し、「市内全事業所を訪問して実態調査を行い、具体的な支援の政策化を」と対応を迫りました。
その後、同市は今年9月定例会の補正予算で、初めて市独自の給付金(法人10万円、個人5万円。建設・運輸・製造業は、法人20万円、個人10万円)を実現。これとは別に障害・高齢者施設、保育所、病院などへの給付金も創設しました。
給付金を申請したというクリーニング店の店主は、「コロナ禍で売り上げは減り、原油高騰でこの先仕入れるハンガーや服のビニールカバーが値上がりする。給付金をもらえるのはありがたいし、共産党は、実態を聞きに来てくれ、その声を議会に届けてくれた」と話します。
防災対策では、この間、浸水被害が発生するたびに被害地域を調査し、聞き取りを実施。住民の声をもとに、毎年、議会で河川改修など浸水対策を早急に進めるよう求め、進ちょく状況を質問してきました。
現在、同市では高野川、伊佐津川の改修と同市西地域の内水対策工事が進行するとともに、同市東地域海岸部での浸水調査も始まっています。
子育て施策でも前進を切り開いています。今年度から公立保育園の給食での主食(白ご飯)提供が始まりました。議員団は、18年に議会で保護者の要望を示して実施を要求。昨年12月定例会では、同市による保護者アンケートで94%が主食提供に賛成していることを示し、対応をただしました。
高すぎる国保料をめぐっては、市議会で、国に対して国庫負担増額や均等割廃止を求めるよう訴えるなど一貫して引き上げに反対し、引き下げを要求。
この間、国保料は、20年度に引き上げられましたが、21年度には引き下げ(前年度の引き上げ分と同程度)、22年度は据え置きとなっています。
「パーム油発電所」計画中止に追い込む
住民運動と連帯して市長を追及
舞鶴市喜多地区の府有地におけるパーム油発電所建設計画は20年6月、住民の強い反対運動のもと、中止に追い込まれました。共産党議員団は、市議会で唯一反対の立場で、住民運動と連帯し、計画推進の市長を追及してきました。
同計画をめぐり、多々見良三市長と山田啓二知事(当時)は16年4月、事業を計画していた日立造船に舞鶴市内での建設を要請する親書を送付しました。
一方で、予定地周辺の住民は、生活・自然環境の悪化を懸念し、計画中止を訴え続けました。喜多自治会は20年1月、建設反対を決議。同年4月には、193戸中188戸が「反対」としたアンケート結果を市に提出しました。
また、環境保護団体は、国が再生可能エネルギーと位置付けている同発電が、油の原料の生産・加工・輸送などを通じて大量の温室効果ガスを排出すると指摘していました。
こうした状況下で、事業主体は20年4月に撤退を表明、その後、6月23日に計画は事実上、消滅しました。
市長は20年6月定例会(6月10日)でも「市の発展に必要なインフラ」と推進姿勢を取り続けました。市議会では、与党議員が反対運動をめぐり、「政党活動と見受けられる場面もあった」(20年3月定例会)と事実無根の発言も行いました。
市政のチェック機能果たしたのは共産党だけ
これに対し、同党議員団は市議会で住民合意が無ければ建設すべきでないと追及するとともに、同発電を再エネとする認識を改めるよう求めてきました。事業主体の撤退を受け、「計画の中止の検討を」(20年6月定例会=6月10日)と市長に断念を迫りました。
住民運動に参加した男性は、「残念ながら市長と共産党以外の議員は、我々の思いを受け止めてくれなかった。市政のチェック機能を果たしたのも共産党だけだった」と振り返ります。