税・社会保障、医療、買い物履歴・・・あらゆる個人情報が企業利益の「源泉」に マイナンバー、「デジタル改革」で共産党府議団が公共政策講座
日本共産党府議団は11月11日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都でマイナンバー、「デジタル改革」をテーマに公共政策講座を開催しました。
講師を務めた大河原壽貴弁護士は、マイナンバー法をめぐり、政府は現金2万円分のポイントを国民に配るなどしても普及が進まないもとで、同カード取得を事実上強制することとなる、現行の健康保険証を廃止してマイナンバーカードへの一体化を狙っていると報告。マイナンバーと預貯金口座を紐付けさせるなどとしたデジタル関連法を相次いで成立させていることについて、「収集される情報は、健康に関するものだけではなく、税・社会保障、位置情報、買い物の履歴など広くに及びます。あらゆる個人情報が企業の『成長のための利活用の対象』になり得る。利便性だけの宣伝にとらわれないでほしい。個人情報保護の徹底こそ必要」と述べました。
府内開業医79%が「マイナ保険証」反対
京都社会保障推進協議会政策委員の中村暁さんが、保険証廃止・医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の動向について報告。現行の保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」とする計画を政府が発表したことについて、「京都府保険医協会」の会員向けアンケートで79%が「反対」と回答したことを紹介しました。
医療情報だけでなく、銀行口座やクレジットカードなどの個人情報までもマイナンバーカードに紐付けられることの危険性を指摘しました。
自治体の役割が変質
成宮真理子府議が府議会での論戦について報告。個人情報保護の観点で、マイナンバーカードの問題点を指摘してきた論戦を紹介し、「自治体の役割を府民の個人情報の収集・利活用で民間企業の利益に資する業務へ変質させるもの。問題点を知らせ、自治体の本来の役割を取り戻す世論と運動を広げよう」と呼びかけました。