生活保護行政改善目指す 京都で全国会議設立
「格差と貧困」の拡大が問題となる中、福祉事務所での窓口規制など不当・違法な生活保護行政の改善などを目指して、「生活保護問題対策全国会議」(代表幹事・尾藤廣喜弁護士)が3日、京都市内で設立されました。
全国会議は、サラ金・ヤミ金などの多重債務被害問題に取り組んできた弁護士、司法書士や市民団体などが連携し、窓口で申請すら受け付けず追い返す行政のやり方(「水際作戦」)や保護費削減を進める国の政策や問題点などを明らかにするもの。制度の活用法、貧困の実態調査、生活困窮者のネットワークづくりの支援などに取り組みます。
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同日、中京区の京都アスニーで設立記念集会「市民の力で貧困を絶つ」が行われ、499人が参加しました。
記念集会では、全国生活保護裁判連絡会事務局長の竹下義樹弁護士が基調講演し、不正受給告発や就労指導、保護打ち切りなど国が生活保護を受けている人に「攻撃」をかけているとのべ、「経済的理由による自殺者が1万人にも上るなど、『福祉』が人を追い込んでいる。生活保護の印象の暗さは国が作り出したもので、『金を借りた人が悪い』という印象をはね返した多重債務被害の救済運動と同様に、誤ったイメージの払しょくが必要。生活保護が目指す、生きることや再出発を支える役割を伝え、広げることをこの会議の出発点にしたい」と訴えました。
弁護士らによるシンポジウムが行われた後、参加者は会場前から丸太町通を府庁前までパレードしました。
記念集会には、日本共産党の大門実紀史、仁比聡平両参院議員が参加しました。