「どんな障害がある人も暮らせるグループホームを」住民団体が募金呼びかけ 京丹後市網野町で建設予定
どんな障害があっても望む場所で暮らせるように――京丹後市の社会福祉法人や障害者団体などでつくる住民団体が、医療ケアを必要とする人など重度の障害を持つ人が生活するグループホームを、同市網野町に建設しようと計画しています。来年4月の開設に向け、事業資金確保のための募金の協力を呼びかけています。
同団体は、社会福祉法人「あみの福祉会」や同市内の障害者団体などで結成した「京丹後市にどんな障害のある人も暮らすことができるグループホームをつくる会」(つくる会)です。
たん吸引など医療ケアを必要とする障害者には常時の介護体制が必要で、作業所など通所施設の利用時を除くと、その役割は多くの場合、家庭で保護者が担っています。医療ケアにも対応した重度の障害者が入居できるグループホームは、「府内でも極めて数が少ない」(きょうされん京都支部)状況で、同市にはありません。
「つくる会」の山添博史事務局長は、計画のきっけには当事者の願いがあったと言います。「あみの福祉会」の事業所に通う医療ケアが必要な仲間から、「ぼくたちが入れるホームがほしい」「ずっと家族と暮らしたいけど、負担はかけたくない」という願いや「一人の部屋がほしい」という自立した生活への思いが語られていると言い、「取り組みの根底に仲間の思いがある」と話します。こうした願いを持っていた仲間の中には、この間、亡くなった人もいるといいます。
また、保護者には、「自分たちがみられなくなったら、わが子はどうなるのか」という不安を抱えていると指摘します。
計画中のグループホームは、平屋建て(約440平米)で、定員は共同生活者6人と短期入所者3人を予定。看護師・生活支援員・管理者など合計16人の職員を配置し、同福祉会が運営する予定です。計画地は、同福祉会(網野町網野)近くの民有地(約1150平米)です。
総事業費は約1億5000万円で、国庫補助(申請中)を除いた6600万円を自己資金として確保することを目指しています。これまでにクラウドファンディング(既に終了)などで約4200万円が集まりました。
山添事務局長は、「たとえ、どんな障害があっても地域で暮らしたいというのは自然な思いであり、当たり前に地域で暮らせるようにしたい。賛同する方からの募金への協力を願っています」と呼びかけています。
募金は、同市内のコンビニや薬局など約150カ所の募金箱の他、振り込みで受け付けています。
振込先は以下の通り。
京都北都信用金庫網野支店
普通 110832 口座名義「グループホームをつくる会事務局長 山添博史」
問い合わせ☎0772・79・2525(あみの福祉会・四つ葉ハウス内)。