暮らし・平和壊す大軍拡止めよう 敵基地攻撃「住民の命危険にさらす」 共産党、9条の会が街頭訴え
岸田政権による大軍拡のもと、「戦場化」を想定した強靭(きょうじん)化の対象となっている自衛隊基地のある府内の各自治体で6月9、10の両日、住民の命を危険にさらす大軍拡を国民的大運動ではね返そうと、各地の平和団体や日本共産党地方議員らが街頭で訴えました。
陸自・桂駐屯地のある京都市西京区では、日本共産党の成宮真理子府議と河合葉子京都市議が、同駐屯地から約1㌔離れた阪急桂駅前で、同党後援会員ら20人と緊急宣伝。
成宮氏は「駐屯地周囲には学校や住宅地も広がっており、住民を危険にさらしていいのか。市民や自衛隊を戦争に巻き込まないためには、戦争する国づくりではなく、戦争をしないための平和外交こそ必要だ」と訴えました。
河合氏は、「大軍拡ではなく、戦争しないための外交努力が求められている。そのための政治を一緒につくろう」と呼びかけました。
京丹後市では、ミサイル防衛用のレーダーを運用している空自・経ケ岬分屯基地が強靭化対象となっているもと、市民有志でつくる「9条改憲NO! 市民アクション丹後」は、同市内で「市民の命を危険にさらす戦争準備は今すぐやめよう」と反対を訴えました。
約10人が集まり、「9条に反する」と大書された横断幕を掲げて宣伝。リレートークでは、市民に多大な犠牲を及ぼしているロシアによるウクライナ侵略をめぐり、「戦争は一旦、始めるとすぐに止めることができない。戦争を絶対に始めてはならない、行ってはならない」と訴えました。
京都市内では、「憲法9条京都の会」が三条河原町で、恒例の「9の日宣伝」を行い、8人が参加。「戦争準備でなく平和の準備を」との横断幕を掲げ、大軍拡反対の全国署名への協力を呼びかけました。
宣伝では、同会の寺内寿事務局長が、岸田政権が大軍拡を進めて、5年で43兆円の軍事費を投じれば、日本が世界第3位の軍事大国になると指摘し、「1・8兆円あれば大学授業料の無償化ができ、4386億円で小、中学校の給食費を無償化できる。軍事費ではなく、暮らし、教育のためにこそ税金を使うべきだ」と述べました。
岩佐英夫弁護士は、敵基地攻撃能力の保有により、米国の戦争に日本が参加するとともに、報復攻撃の危険にさらされることになると告発。「戦争国家への道ではなく、9条を生かした平和の道を進むべきだ」と訴えました。
出張で京都を訪れたという男性(44)は、「今の政府はむちゃくちゃ。9条の会の活動を知っています。頑張って」とエールを送りました。
宇治市では、陸上自衛隊の大久保駐屯地、宇治駐屯地の2カ所が強靭(きょうじん)化対象です。大久保駐屯地に隣接する近鉄大久保駅前で、日本共産党の大河直幸市議は10日、プラスターを手に宣伝。「対話の外交で平和を守ろう」「軍事費2倍で、平和も暮らしも壊す大軍拡を止めよう」などとアピールしました。
京田辺市と精華町にまたがる陸自・祝園分屯地は、大型ミサイル保管用の火薬庫建設が計画されるとともに、強靭化対象にもなっています。
田辺九条の会、綴喜地労協、京田辺・綴喜平和行進実行委員会は、「9条改憲NO! ストップ戦争準備・大増税!」の声をあげようと、同市の近鉄・新田辺駅前で宣伝。
参加者は、岸田政権は大軍拡による「戦争する国」づくりを進めていると批判。同分屯地での一連の計画を示し、「ストップ戦争準備、軍事費拡大のための大増税に反対の声をあげよう」と訴えました。