“核なき世界を”伝え続けた熱い思い 手作りの「平和ニュース」100号に/非核の会・京都常任世話人 馬場佳子さん
「非核の政府を求める京都の会」常任世話人の女性が2カ月に1度発行する手づくりの「平和ニュース」が今年3月に100号を迎えました。5月には、100号を記念した感想文集を発行しました。
隔月で発行、取材・執筆依頼・印刷・発送1人で手掛け16年
元同志社中学教員の馬場佳子さん(79)。「平和ニュース」は、カラーのA4判4㌻。馬場さんが取材や執筆依頼し、組版作業から印刷、発送まで担当。2007年から16年間で教え子や友人、ご近所など約250人にニュースを広げ、身近な人に反戦平和や核廃絶の願い、憲法を守る運動や平和などの情報を届けてきました。
「非核の会」との関わりは、代表世話人で今年1月に亡くなった望田幸男・同志社大学名誉教授に勧められたことから。馬場さんは当時、夫の13回忌、母親の介護を経た頃で「心に空いた大きな穴を埋めてくれた」のが、湯川秀樹氏のラストメッセージ「核なき世界を」でした。06年の「非核の会」20周年に参加し、中学校で生徒や保護者向けに作っていたクラス通信のような読みやすいニュースを作りたいと一念発起。ニュース作りが生きる支えとなりました。
「平和ニュース」では、広島や長崎での核兵器禁止世界大会や被爆体験を聞くつどい、ビキニデー集会などのレポート、被爆者証言の多言語化に取り組むNET─GTASの紹介、核兵器禁止条約発効など、多彩な平和の運動や話題を取り上げてきました。また、教え子の縁で歌人の永田紅さんのエッセイ、毎日新聞元京都支局長の高村洋一さんの平和を紡ぐ取材メモの連載も掲載しました。
「馬場佳子の平和ニュース 100号記念感想文集」には67人が寄稿。馬場さんへの感謝とともにロシアのウクライナ侵略への怒りや反戦の思いを寄せた人もいます。
馬場さんは広島県呉市音戸町で育ち、広島大学を卒業。家族に被爆体験はありませんが、「平和への願いは体に染みついている」と言います。「ニュース作りを思いついたら体が動いていた感じですね。新しい出会いが広がり、あっという間の16年でした」と笑います。
広島市で被爆した京都原水爆被災者懇談会代表世話人の花垣ルミさん(83)は「バイタリティーあふれる人。行くと決めたら動きが早い。本当に大変な仕事をやってくれたと感謝していますよ」と言います。朝日新聞大阪本社元編集局長の長谷川千秋さん(85)も「3・1ビキニデー全国集会の特集やDVD上映会も実現された馬力には頭が下がりました。ありがとうのひと言につきます」と話します。
A4判カラー127㌻。希望者には頒布。問い合わせは馬場佳子さん☎・FAX 075・701・7070まで。