ショッピングセンター前での宣伝では、1時間で54人が署名しました(9月30日)

 亀岡市で、加齢性難聴者の補聴器購入への公的な補助制度を実現しようと、当事者らでつくる公的補助を求める「亀岡連絡会」はこの間、市長への要望署名などの取り組みを進めています。

 加齢性難聴は、生活に支障をおよぼすだけでなく、認知症のリスクを高めると指摘されています。亀岡連絡会によると、補聴器は片耳だけで10万円以上することが一般的で、「年金生活の高齢者には重い負担」となっていると言います。

 同連絡会が実施した市民アンケートでは、高額費用が購入をためらわせていることや、補聴器が必要な症状を本人が自覚していないことなどが明らかとなり、必要な人が購入できるための制度の必要性が浮き彫りとなりました。

 10年前から補聴器を利用している同連絡会の中井和夫さん(73)は、「補聴器がなければ、会話もままならず、社会参加できない。高額であり、耐用年数が過ぎれば買い替えも必要で、重い負担になります」と話します。

 亀岡市議会では今年の6月定例会で、国に対して支援制度の創設を強く求める意見書が可決されました。

 同連絡会は、国を待たずに市として実現をと、今年9月から桂川孝裕市長あてに市独自の支援制度創設を求める署名を開始。市内のショッピングセンター前で毎週土曜日に宣伝し、買い物客らに署名を呼びかけています。

 9月30日の宣伝では約1時間で54人が署名。片耳が聞こえにくいという70代の女性は、「補聴器の購入はそろそろ必要かなと思うし、医師にも相談した。補助制度があれば大変助かる」と話していました。

 府内では、京丹後市と精華町で今年度から購入補助制度がスタート。日本共産党府議団によると、全国では143自治体で導入されています(今年4月時点)。