「(京都)市長選に向けた実際上の総決起大会」と位置付けられた、自民党京都府連主催の「政経パーティー」で、門川市長(右端)、西田昌司参院議員(左端)とともに手を結ぶ松井孝治氏(右から2人目)=2023年11月26日、国立京都国際会館=(西田昌司氏のブログより)

 京都市長選(2024年1月21日告示)で立候補表明している、松井孝治氏=自民、立民、公明推薦=を事実上の「後継候補」としている、門川大作京都市長は、過去3回の市長選直前に政治資金パーティーを開催。収益率は平均で9割を超え、かつ、京都市内に本社を持つ京セラや任天堂、オムロンなどがパーティー券を購入していました。

前回市長選の直前に行われた、門川氏の政治資金パーティー「未来京都の会時局講演会」(2020年1月12日、国立京都国際会館)

 いずれのパーティーも、門川氏の資金管理団体「未来京都の会」が主催したもの。前回市長選(2020年)では、告示日(1月19日)1週間前に、国立京都国際会館(京都市左京区)で、「未来京都の会時局講演会」を開催。792万円の収入があり、開催事業費は125万3199円で、収益率は84.2%。開催事業費のほとんどは会場費(118万1831円)です。

 パーティー券を購入したのは、いずれも京都市内に本社を持つ京セラ、任天堂、オムロン、村田機械、堀場製作所、ローム、日本電産、ワコール、島津製作所と、長岡京市に本社がある村田製作所の10社。金額は各社とも50万円ずつで、合計500万円。パーティー収入の6割を占めます。

 パーティーでは、食事などは提供されず、候補者である門川氏のあいさつと門川氏の選挙母体「未来の京都をつくる会」代表でオムロン名誉会長の立石義雄氏(故人)の短い講演が行われただけでした。

 「未来京都の会」は2012年と2016年にもほぼ同様の形で政治資金パーティーを開催。3回の合計収入は2944万円、開催事業費は約218万円で、収益率は92.6%になります。大手企業によるパーティー券購入金額は計1830万円に上ります。

2016年の「未来京都の会時局講演会」では参加者にお茶が1本配られただけでした

 そもそも、政治資金パーティーは「対価を徴収して行われる催物」(政治資金規正法第8条の2)で、100%収入となる寄付(献金)とは違い、飲食などの「対価」があることが大前提です。

 政治資金問題に詳しい、上脇博之・神戸学院大学法学部教授は、門川氏のパーティーは収益率が高く、事実上の「寄付」になっているとし、「資金管理団体は企業からの寄付(献金)は禁止されており、実態は違法な企業献金」と話しています。

 門川氏は松井氏について、「教育長時代からいろいろご意見をいただき、懇意にさせていただいている」「私もしっかり応援していきたい」(11月17日の定例会見)と述べています。松井氏の選挙母体「文化首都京都を創る会」の代表には、京都商工会議所会頭でワコールホールディング名誉会長の塚本能交氏が就任しています。