(左から)みなもと進一、橋本まり子、平林ちえみ、田中くにおの各候補

金権腐敗政治ただす確かな力

給食費負担軽減、医療費無料化拡充など実現

 京丹後市議選(定数20)が4月14日告示、同21日投票で行われます。同市議選は3~5人オーバーの見込みで、大激戦の様相です。日本共産党は、田中くにお(72)、平林ちえみ(71)、橋本まり子(65)=以上、現職=、みなもと進一(70)=新人=の全員当選で、4年前に失った1議席を取り戻して4議席回復を目指しています。

 自民党の金権腐敗政治に国民的批判が高まるもと、4候補は「クリーンな共産党だから、金権腐敗の自民党政治を変えられる。住民にとことん寄り添う共産党4議席で、子育て暮らし応援の市政を実現しよう」と奮闘しています。

政治資金規正法改正求める意見書を主導

 裏金問題をめぐり、同党は市議会3月定例会で、全容解明へ証人喚問の実施と、企業・団体献金の全面禁止を求める意見書を提案。

 他会派との協議の結果、「裏金」「証人喚問」「企業団体・献金の禁止」が削られましたが、国民の疑念の払拭(ふっしょく)や政治資金規正法の改正と運用改善などを求める意見書を全会一致で可決。採決に際して同党は、国民の怒りの声を受け止め、市議会として意見書提出は当然だと強調しました。

 この間、子育て分野で数々の前進を切り開いてきました。12年から要求してきた小中学校普通教室へのエアコン設置は完了。引き続き特別教室(中学校は一部実施済)への設置を求めています。学校トイレ洋式化は、今年度で完了予定です。子どもの医療費無料化は段階的に拡充し、現在は大学卒業までに。物価高騰対策を求めるもと、学校給食の保護者負担を1食200円に抑える「200円給食」も実現。今年度から学校トイレで生理用品設置も始まりました。

給食無償化陳情に維新も反対

 昨年の9月定例会には、住民団体が給食無償化を求める陳情を提出。共産党のみが採択を訴え、継続審査となりました。最終的に今年3月定例会で自民系・公明などとともに、政党として給食無償化を掲げている維新が反対し、否決されました(共産党3氏ら計6人が賛成)。

 小学生と中学生の2人の父親(30代)は、「食料から何から何まで値上がりしており、医療費、給食など子育て関連の負担軽減はありがたい。この先、義務教育は全て無償などインパクトのある子育て支援策の実現へ、引き続き共産党に期待しています」と語ります。

 コロナ禍・物価高騰のもと、暮らしと生業の支援を求める市長への申し入れを29回実施。こうしたもとで、今年4月から2カ月分の水道基本料金(月額917円)減免が実現。減免は20年(3カ月分)に続き、2度目です。

 22年6月議会では、市民が生活保護申請をためらわないよう対策を要求。その後9月に同市は「(申請は)国民の権利です」と周知するチラシを全戸配布しました。市独自の持続化給付金、個人の小規模農家への補助制度(30万円)、コロナ禍での米価下落に対する支援金、などを実現。今年度からは高齢者のタクシーチケット割引も拡充しました。

 年金生活の森岡芳子さん(80)は、「余裕のない暮らしで、足りない分を補うため農家の手伝いに出ることもある。共産党には、暮らしの負担軽減に力となってほしい」と話します。

中山現市政ときっぱり対決

 市政運営を市民目線でチェック、対決してきました。現市政は22年6月定例会に約54億円で市役所増築(既存施設の改修含む)を提案。共産党は「必要最小限とすべき」と主張し、市議会は延べ床面積を3分の2に縮小して約40億円とする修正案を可決。しかし、今年度予算案では、人件費・資材費の高騰のため約53億円に膨れ上がりましたが、この費用を含む今年度予算案に共産党以外は全て賛成しました。

 同市の米軍レーダー基地をめぐり、一貫して撤去を求めるとともに、隣接する空自・経ケ岬分屯基地が岸田政権による基地強靭化の対象となっていることに対し、反対するよう要求してきました。

 両基地周辺が、住民監視につながると指摘される「土地利用規制法」の特別注視区域の指定対象となったことをめぐり、同法撤廃を求めるよう迫りました。

 福井県高浜原発から最短で約31キロの同市。一貫して再稼働に反対し、廃炉を国に求めるよう要求してきました。

京丹後市政 コストカットで衰退に拍車

学校統廃合、職員削減・非正規化 合併から20年、人口1万5千人減に

 京丹後市では人口減少と高齢化が進むもと、現市政は小学校統廃合や職員の削減など、地域の衰退に拍車をかけるような施策を進めるとともに、過大な市庁舎増築計画など独断専行の市政運営を行ってきました。

 同市の人口は、旧6町合併時(2004年)の約6万6000人から、5万955人に減少(24年1月末現在)。21年度の平均所得は府内26市町村中の24位。

 こうした状況下で、4期16年(04~16年、20年~現在)の中山泰市政は、地域や労働者の苦境に拍車をかけるかのような学校統廃合や市職員削減・非正規化を進めてきました。

 小中学校は40校から22校に減少し、さらに今後4小学校を廃校とする計画です。合併時に4小2中があった旧丹後町は現在、2小1中。市教委は、同町宇川地区の宇川小の廃校方針を示しています(既に宇川中は廃校)。

 宇川地区は同市の北東の端にあり、地区唯一のスーパーは19年1月に閉店。唯一のガソリンスタンドも今年9月に閉店予定です。宇川連合区の役員は、「学校は地域コミュニティーの拠点であり、持続可能な地域づくりに不可欠だ。児童数、生徒数だけを理由に再編を進めれば、子育て環境は後退し、地域の未来を担う子どもがいなくなる」と嘆きます。

5年前に閉店した宇川地区で唯一のスーパーの跡地

 合併直前に1328人いた旧町職員は、現在、1047人です。正規職員1047人に対し、非正規職員(会計年度任用職員)は893人となっています。同職員の一部は任期1年で、1年ごとに採用試験を受けることになります。

 06年には同市100%出資で派遣会社「京丹後市総合サービス」を設立。給食調理や放課後児童クラブなど同社業務の約95%が市から委託されたもので、実質的に市の業務を民間が担う事態となっています。

 子育て中で、同市任用職員の50代男性は、経済的な理由でWワークだとし、「週5日フルタイムで正職員と同様の仕事をしながら、生計が成り立たないことがあっていいのか。もう一人、子どもが欲しいと思っていた時期もあったが、とても望めない」と話しています。

 

【追記・訂正】当初の見出しと記事で、選挙の期日を「3月14日告示」「3月14日告示、同21日投票」としていましたが、正しくは「4月14日告示」「4月14日告示、同21日投票」です。訂正しています(2024年4月8日午前10時48分)