「うたごえ喫茶inアークデュウ」惜しまれながら22年の歴史に幕 豪華生演奏とみんなで歌うスタイルが魅力
4月、6月と残り2回ファイナル演奏
多くのファンに愛されてきたライブハウス「アークデュウ」(京都市下京区)での「うたごえ喫茶」が、惜しまれながら22年間の歴史に幕を下ろします。225回を数える6月、ファイナル演奏を迎えます。
うたごえ喫茶inアークデュウは、2002年5月にスタート。「京都いろり合唱団」「女声合唱団アンダンテ」「国鉄京都うたう会」の3者が実行委員会形式で運営してきました。参加者が歌いたい曲をリクエスト用紙に書き、リクエストした人がステージでマイクを握り、みんなで歌うなじみのスタイルで、毎月、100人前後の参加がありました。
バンドは、ピアノ、ドラム、アコーディオン、ギター、ベース、バンジョー、フルートのラインナップで、メンバー9人による豪華生演奏も魅力の一つ。童謡や唱歌、昭和歌謡にフォークソング、民謡、合唱曲など、幅広いジャンルの歌に応じます。
開催時間を夜から昼間に変更するなど参加者のニーズに応えてきたものの、22年間の催しを終了することになったのは、コロナ禍に起因します。感染拡大防止の休会期間を経て、月1回から隔月で再開しましたが、参加者の減少と会場であるライブハウスの経営事情が重なり、継続が厳しくなりました。
年明け最初の例会となった2月20日のうたごえ喫茶には、73人が参加。春を告げる歌「早春賦」を皮切りに、リクエストでは、谷村新司を悼んで、「昴」が上がり、「友よ」「この街で」など、途切れなく進行。それぞれの人生の思い出を重ね、歌いたい曲、聞きたい歌を楽しみました。
有給休暇をとって参加した女性(59)は、数年前に知人に誘われて常連に。生の演奏でみんなと歌を共有する心地よさに魅了されました。「知らない歌が多かったけれど歌えるようになったし、歌えなくても雰囲気がいい。(5月に)退職したら存分に楽しめると思っていたので、終了するのは残念」と言います。
楽曲に合わせてステップを踏んでいた瀧本美代子さん(81)は、スタート時からのメンバーです。飲食が提供できた当初は、接客も担当していました。「終了するのは寂しいけれど、何でも永久にとはいかないので、潮時だと思います。また何か違った形で歌えれば」と話していました。
実行委員長の森野修一さん(77)は、終了するのは心苦しく、つらいとしつつ、「残り2回のファイナル演奏を楽しんでほしい」と参加を呼びかけています。
うたごえ喫茶inアークデュウ ▽第224回=4月16日、国鉄京都うたう会・国鉄大阪合唱団「号笛」の演奏あり▽第225回=6月18日、女声合唱団アンダンテのファイナル演奏あり。いずれも午後2時~4時半。参加協力券1000円。飲み物は各自持参。連絡・問い合わせ℡090・9289・7787(森野さん)。