赤旗スクープを受けて各紙も報道した「裏金非公認」2000万円

 27日の衆院選投票日を目前にして、裏金づくりで自民党が非公認とした「裏金候補」側に、公認候補と同額の2000万円を振り込んでいたとする「しんぶん赤旗」のスクープが衝撃を与えています。石破首相(自民党総裁)らは「選挙に使うことはない」などとする釈明に躍起になっていますが、京都府内の自民党支持者からも「そんな言い訳が通用すると思っているのか」「非公認と言いながら実際は“裏公認”。とんでもない」といった批判と憤りが噴出しています。

 「しんぶん赤旗」のスクープは10月23日付。自民党は、公認候補が代表を務める自民党支部には10日付で、公認料500万円と活動費1500万円の計2000万円を、非公認候補の支部には「党勢拡大の活動費」として2000万円をそれぞれ振り込むと森山裕幹事長名で伝えていました。非公認となった12人のうち、荻生田光一(東京24区)、高木毅(福井2区)などの8氏が自民党支部の代表を務めていることが分かっています。

 同紙のスクープを受け、「京都」をはじめ「毎日」「日経」「朝日」などの全国紙やテレビなどでも報道が相次ぎ、「裏公認」として大問題に。選挙戦が終盤を迎える中、自民党は“火消し”に躍起となっています。石破首相は「非公認候補ではなく政党支部に出している」などと主張。自民党は急きょ、党内向けに説明文を送付し、「裏公認との指摘は一切当たらない」としました。

 しかし、こうした弁明が、自民党支持者の怒りを一層あおる結果となっています。

「スクープ、すごいな」「さらに10議席は減る」

 自民党候補の演説会に知り合いを誘って参加してきたばかりと話す、京都市内に住む70代の女性は「共産党のスクープなんやて。すごいな」と語った上で、こう嘆きました。「裏金だけでもとんでもないのに、今度は“裏公認”やなんて、ホンマに恥ずかしいわ」。

 京都市内で、自民党議員の後援会役員などを務めてきた70代の男性は、「党勢拡大の活動費やなんて、誰が信じる」と怒りをあらわにしました。各紙の情勢調査で自民・公明の与党過半数割れが取り沙たされていることに触れ、「『赤旗』のスクープで、自民党はさらに10議席は減るな」と話しました。

 別の自民党員の男性(70代)は、「自民党の候補者から選挙はがきが来たり、演説会のお誘いもあるけど、とても行く気になれない」と言います。「自民党の腐敗も極まれりや。各候補者に渡った金の原資が政党交付金ということは税金やないですか。2000万円ならちょっとした家が買える。それを裏金候補にくれてやるなんて、有権者をバカにするにもほどがある」と吐き捨てました。