現職市長として不誠実/宇治市・松村市長「医療費助成拡充」議会では表明せず 出馬会見で「拡充」言いながら、「選挙で説明」と答弁
宇治市長選(12月1日告示・同8日投票)で、2期目を目指して立候補を表明した松村淳子市長は、子どもの医療費助成の対象を高校3年生(現在、中学3年生)に拡充すると記者会見(10月29日)で発言。しかし、この発言をめぐって11月11日の議会で、「方針転換」の理由を問われた市長は、市長と候補者の立場を使い分け、答弁を避ける不誠実な態度をとりました。
同日の決算特別委員会で日本共産党の山崎匡議員が、拡充すると判断した理由を市長にただしたところ、市長は「政治家として、次期候補者としての考えで会見したもの。選挙活動の中で考えを説明する」と述べ、理由は答えませんでした。
宇治市の子どもの医療費助成制度は、通院、入院とも中学3年生まで無料(1カ月1医療機関200円の自己負担あり)。府内でも高校生まで対象を広げる自治体があるなかで遅れた状況にあり、制度拡充は市長選の争点の一つです。
市は、直近の9月定例会でも、18歳までの拡充を求めた共産党の質問に、「効果は限定的」「府の動向を注視する」として拡充しない態度を示しており、この日の委員会でも、従来通りの答弁でした。
1カ月前まで「やらない」と
山崎議員は、市長に対し、現職と新人候補の発言では意味合いが違うと指摘し、「つい先日まで、『やらない』としてきたものを候補者だから『やる』となると、あたかも選挙のために言っているのではないかと思われてもしかたがない」と姿勢をただしました。