時代劇文化を世界に広げたい 第16回京都ヒストリカ国際映画祭 12月3日~8日、京都文化博物館
エミー賞18冠「SHOGUN 将軍」(第1、2話)、「侍タイムスリッパ―」など上映
「歴史・時代劇」をテーマに2009年から始まった京都ヒストリカ国際映画祭が12月3日から8日まで、京都市中京区の京都文化博物館で開かれます。
第16回目となる今回のテーマは「持たざるものの闘い」。今年、時代を象徴する注目作にフォーカスした「ヒストリカ・スペシャル」、世界の注目新作歴史映画をいち早く紹介する「ヒストリカ・ワールド」、同映画祭が今、見て欲しい作品を提示する「ヒストリカ・フォーカス」、恒例となったイタリア文化会館─大阪との連携企画「イタリア文化会館─大阪企画プログラム」などが取り組まれ、映画上映ともに映画監督やプロデューサーのトークが予定されています。
同映画祭と並立して行われる関連事業として、映画・映像制作者(監督・プロデューなど)を対象とした企画コンテストを実施し、優秀映画企画には京都・太秦の撮影所でのパイロット版(短編)製作の権利を付与する「京都映画企画市」や、国内外の映像制作に携わる若手が、一流監督・映画人の指導・サポートを受け、京都の撮影所で時代劇の短編映画の製作を体験するワークショップ「京都フィルムメーカーズラボ」もあります。
映画祭の「ヒストリカ・スペシャル」では、米国のドラマで、第76回エミー賞の作品賞・主演男優賞(真田広之)・主演女優賞など史上最多18部門を受賞した「SHOGUN 将軍」の第1話、第2話をはじめ、来年1月公開の『雪の花─ともに在りて』、山中貞雄監督が残した作品をアニメーション監督の、りんたろうがアニメ化した『鼠小僧次郎吉』、京都映画企画市の2016年度の優秀映画企画で、長編化が実現した『黒の牛』の4作品を上映。
「ヒストリカ・ワールド」では、「京都フィルムメーカーズラボ」に参加経験のあるプエルトリコの監督が、自国の歴史の中で、チャンバラ劇をつくりあげた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・カリビアン』など4作品が取り上げられます。
「ヒストリカ・フォーカス」では、城陽市在住の安田淳一監督が、「京都映画企画市」に応募した企画をもとに自費で製作した『侍タイムスリッパー』や『碁盤斬り』など6作品が紹介されます。
また、昨年度「京都映画企画市」の優秀映画企画に選ばれた『サバイバル忍者』も上映されます。同作は、東映京都撮影所で働いた後、独立した京都出身の馬杉雅喜監督によるもので、聖徳太子と忍者の始祖との出会いを描いています。
記者会見で同映画祭実行委員長の小嶋雄嗣氏(東映京都撮影所所長)は、「SHOGUN 将軍」や『侍タイムスリッパー』などの作品名あげ、「世界的に日本の時代劇のコンテンツに注目が集まり、時代劇に風が吹いている。時代劇文化の風を世界に広げたい」と語りました。
上映時間、料金など詳細は同映画祭のホームページ参照。問い合わせ℡075・222・5523(同映画祭事務局)