「ルート一本化」を進めることになるヒアリングへの不参加を求めて宣伝する市民や島田敬子府議(右から2人目)=11月26日、府庁前

首長「同意」の強要につながる

 北陸新幹線延伸計画をめぐり、「北陸新幹線延伸計画の環境アセスメントの一旦停止を求める会」は11月26日、京都府庁(京都市上京区)を訪れ、西脇隆俊府知事に対して、「年内のルート一本化」を進めることにつながる、与党整備委員会(西田昌司委員長)によるヒアリングに参加しないように求めて申し入れました。申し入れに先立ち、府庁前で街頭宣伝を行い、延伸反対を職員や市民らにアピールしました。

 与党整備委は11月20日の会合で、現行の「小浜ルート」について、今月上旬までに西脇知事と松井孝治京都市長、大阪府や福井県からヒアリングすることを決定。今月中旬に小浜ルートの3案の中から一つを決め、来年に環境影響評価(アセスメント)準備書を公表するとしています。

 申し入れでは、同延伸計画は大量の残土の処分問題、地下水の汚染や枯渇の懸念、莫大(ばくだい)な建設費などが問題になり、世論調査でも6割以上が現行ルートに「反対」や「見直し」を求め、自民党内でも反対の声が上がっていると指摘。ヒアリングは、西田氏が主張する「年内のルート一本化」強行のため、自治体首長の「同意」を無理やり求めようとするものだとし、ヒアリングには参加しないよう要求しています。

 府庁前で行った街頭宣伝では、「地下水を守れ」「環境破壊反対」「サンダーバードを廃止しないで」などのプラカードを掲げ、「京都の暮らしや産業、文化を支える地下水が枯渇するおそれがある。延伸計画は中止すべき。知事は府民の声を聞き、ルートの一本化を止めるべき」と訴えました。

府に申し入れる同会のメンバー(11月26日)