京都府に署名を提出する「考える会」(11月26日)

考える会「説明会開催を」

 京都府は11月21日、向日市の向日町競輪場で整備を計画している大型アリーナについて、観客席9000席以上などの概要を発表しました。同整備計画の撤回を求めている、「向日町競輪場再整備とアリーナ問題を考える会」が府と懇談(同26日)し、交通対策や施設の詳細が公表されておらず、同会は詳細な説明を行うことや市民向けの説明会の開催を求めました。

府が発表したアリーナのイメージ図

 府のアリーナ計画では、最大9300席(コンサート利用時)を設け、2028年10月の開業を予定。伊藤忠商事(東京)を代表とするグループに事業を委ねるとしています。総事業費は348億円で、地上5階建て、延べ床面積約2万9700平方メートルでスポーツやコンサートなどでの利用を見込むとしています。府の発表資料ではバスケットボールの公式戦やイベント開催、アリーナを行き交う人々のイラストなどはありますが、競輪場などを含む周辺施設の全体図など、詳細な資料は明らかにされていません。

 同アリーナは、26年秋開始のプロバスケットボールリーグ「Bプレミア」参入に必要な水準を満たすとされています。今月には参入審査が行われ、バスケットボールチーム「京都ハンナリーズ」が同アリーナを本拠地として、合格を目指す計画です。

現時点では詳細資料は出せない

 「考える会」は、署名提出時に懇談。周辺の道路・交通対策や、アリーナや競輪場など敷地の全体図、アリーナの高さなどの情報がないことについて質問すると、府の担当者は「全体図などの資料は、業者側から出されているが、現時点で示すことはできない。道路・交通対策も明らかにできない」などと回答しました。

 メンバーは「建物の高さがどれくらいなのかは周辺住民が知りたいこと」「事業者が提出している全体図がなぜ出せないのか」などと迫りましたが、府側は12月議会などを経て示していくと述べるだけした。

 同会のメンバーは詳細な情報を明らかにするとともに、住民向けの説明会を開催するよう求めました。

アリーナ計画の撤回・再検討を

「考える会」府に署名7647人分提出

 府が向日市の向日町競輪場で整備を計画している大型アリーナ計画をめぐり、「向日町競輪場再整備とアリーナ問題を考える会」は11月26日、府に対してアリーナ計画の撤回・再検討を求める署名7647人分を提出しました。

 同会が提出した要望署名では、競輪場周辺の渋滞解消など府道の整備、子どもが自由に遊べる緑の公園整備、市民の声をしっかり聞く機会をつくること、現行計画の撤回などを求めています。

 同会は9月から署名に取り組み、府や向日市との懇談などで説明会の開催などを要求してきました。

住民要望に何ら対応策示してない

 中村隆一代表は、何度も住民説明会開催を求めてきたにもかかわらず、6月以降説明会が開かれていないことを批判。一方で府が事業者募集を行うなど、計画を推進しているとし、「渋滞対策や公園整備など、住民の要望に何ら対応策が示されない。いったん計画を撤回し再検討するよう求める」と述べ、署名を手渡しました。