清水寺門前で参拝者や観光客らに署名を呼びかける行動参加者(1月9日、京都市東山区)

 「今年は、被爆80年。核兵器をなくす流れを大きく」と、1月6日と9日、府内各地で核兵器禁止条約に署名する政府を求めて、今年初の「6・9行動」が取り組まれました。

 京都市東山区の清水寺門前では、毎月、京都教職員組合女性部が中心となって継承している「6・9行動」が両日行われ、参拝者や観光客が「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」に快く応じました。

 9日の行動には、京都原水協、京都平和委員会、京都「被爆二世・三世の会」、退職教職員ら14人が参加。「今日は長崎に原爆が落ちた9日」「核兵器をなくすための署名に協力を」と呼びかけ、1時間の行動で署名125人、被爆者救援カンパも寄せられました。

 同行動では、被団協のノーベル平和賞受賞を記念して作成したプラカードを掲示し、署名の内容を伝える5カ国語(日本、英、中国、韓国、ベトナム)に訳したビラを手渡し、一人ひとりに声かけ。日本語のほか、英語と韓国語版の独自の署名用紙も用意しており、中国やタイ、オーストラリアなどから訪れた人が多く署名に応じていました。

 大阪から参拝に来た女性は、「核兵器はなくさなあかんでしょ。塵も積もれば山も動くかも」と署名の広がりに期待を寄せました。

 「中学生ですが、署名してもいいですか」とペンをとった修学旅行生=福岡市=、母親を呼び止めて署名した韓国の少女の姿もありました。

 京教組女性部役員の猪野秀味さんは、被団協の代表らが石破茂首相と面会(1月8日)したニュースで、石破首相が「核抑止力」論に固執したという報道にふれて、「核抑止力論は破綻している」と指摘。「被爆者の命をかけた長年の願いに応えるのが日本政府の責任だと思います。被爆者が存命のうちに核兵器廃絶、国家補償の願いを実らせたい」と話しています。