「北陸新幹線延伸計画中止を」と訴える倉林氏(左)、堀川氏(1月4日、京都市中京区)

 府内を縦断する北陸新幹線延伸計画を巡り、市民から反対や懸念の声が広がるもと、与党整備委員会は25年度の着工を見送るなど、延伸を推進する与党が追い込まれています。日本共産党京都府委員会は、同延伸計画の中止を求める署名を開始。目標は30万人分。4日には京都市内で、倉林明子参院議員を先頭にスタート宣伝を行いました。

 「きっぱりと延伸計画は中止を。この声を広げよう。署名にご協力をお願いします」。倉林氏は4日、京都市中京区の烏丸御池交差点で、堀川あきこ衆院議員、渡辺和俊府委員長とともに署名を呼びかけました。

 署名では、同延伸事業により、大量に掘り出される掘削土砂の30%にヒ素などの有害な重金属が含まれることや、地下水の枯渇、土地の陥没、莫大(ばくだい)な建設費などの問題があると指摘。与党整備委員会が示した3ルート案の全てが京都に甚大な影響を与えるとし、「4・8~5・3兆円もかけて『20数年後の新幹線』を造る必要性は全くありません」とし、公共交通の充実や在来線の耐震強化などに税金の使い方を改めるべきとしています。

 倉林氏は宣伝で、与党整備委員会が25年度の着工を断念したことや、京都仏教会が「千年の愚行」と計画の再考を求める申し入れを府と京都市に行ったことなどを紹介し、「この問題が浮上して以来、市民に対して詳細な説明が一度も行われてこなかった。物価高で市民の生活は厳しく、能登半島地震の復興も進んでいない。そのもとで最大5兆3000億円もかけて北陸新幹線を建設している場合でしょうか。暮らし応援のために税金を使うべき」と強調しました。

今夏参院選の大争点に

 今年7月の参院選では同計画が大争点になるとし、「日本共産党は一貫して延伸に反対してきました。私を京都選挙区で押し上げていただき、日本共産党を大きく伸ばすことで、延伸ノーの声を示そう」と呼びかけました。

 堀川氏は、国土交通委員会で同延伸計画問題を取り上げたとし、「京都の皆さんの不安の声を国会で取り上げ、大臣に質問しました。京都の地下を巨大トンネルが通れば、地下水の枯渇や住宅の陥没など、さまざまな被害が起こるかもしれない。延伸反対の声を上げましょう」と訴えました。

 参加者が署名を呼びかけると、署名に応じた男性は「地下水をよく利用している。地下水に影響があるような新幹線計画はやめてほしい」と話しました。